ゼナイダ・ヤノウスキーがロイヤル・バレエを2017年に引退

ロイヤル・バレエで22年間活躍したプリンシパルのゼナイダ・ヤノウスキーが、2017年7月、今シーズン末にロイヤル・バレエを引退することを発表しました。

http://www.roh.org.uk/news/zenaida-yanowsky-to-retire-from-the-royal-ballet

ロイヤル・バレエでの彼女の最後の公演は、ロイヤル・バレエのオーストラリアツアーの一環として訪ねるブリスベン公演での「冬物語」で、初演キャストを務めたポーリーナ役を踊ります。ロイヤル・オペラハウスでの最後の公演は、2017年6月の「マルグリットとアルマン」となります。

1991年にヴァルナ国際コンクールで銀賞を受賞後、パリ・オペラ座バレエを経て1994年にロイヤル・バレエに入団したゼナイダは、2001年にプリンシパルに昇進しました。「白鳥の湖」、「ラ・バヤデール」、「ライモンダ」、アシュトンの「田園の出来事」、マクミランの「マノン」と「マイヤリング」、バランシンの「アゴン」「アポロ」、ロビンスの「イン・ザ・ナイト」などに主演しています。クリストファー・ウィールドンは、「不思議の国のアリス」のハートの女王役と、「冬物語」のポーリーナ役を彼女に振付けました。

ヤノウスキーは積極的に新作や現代作品の振付家との仕事に取り組んできました。ウェイン・マクレガー、リアム・スカーレット、ナチョ・ドゥアト、マッツ・エック、ウィリアム・フォーサイス、イリ・キリアン、アレクセイ・ラトマンスキー、グレン・テトリー、トワイラ・サープ、ウィル・タケットなどの作品です。2016年にはウィル・タケット振付の「エリザベス」で、英国批評家協会賞の傑出した女性ダンサー賞にノミネートされています。(受賞結果の発表は来年) また、リアム・スカーレットは、彼の新作において彼女を主役に起用する予定です。

芸術監督のケヴィン・オヘアは以下のようにコメントしています。「ゼナイダは20年以上ロイヤル・バレエの一員として活躍していて、傑出した芸術性と鮮やかな演技力によって、数多くの公演でロイヤル・オペラハウスの舞台を彩ってきました」
「ロイヤル・バレエで彼女が踊ってきた幅広いレパートリーにおける役柄において、大きな敬意を抱いてきており、彼女のキャリアの次の段階においても、新しいプロジェクトを共にできる機会があることを祈っています。カンパニーを代表して、ロイヤル・バレエの芸術的な日々に対する素晴らしい貢献へのお礼を述べたいと思います」


長身で美貌のゼナイダ・ヤノウスキーは、「白鳥の湖」、「ラ・バヤデール」のような古典、そしてマクミランの「招待」、アシュトンの「田園の出来事」、ウィールドンの「冬物語」などの演劇的な作品、さらには現代的な作品と幅広く活躍してきました。1974年、リヨン生まれ。両親がリヨン・オペラ・バレエで踊っていたバレエダンサーで劇場で育ち、両親の開いたスペインのバレエ学校で学びます。4人兄弟のうち3人が大きなバレエカンパニーで活躍するというバレエ一家の出身。人気オペラ歌手のサイモン・キーンリーサイドと結婚しています。

ロイヤル・バレエでの活躍ももちろんですが、ウィル・タケット振付の「兵士の物語」のプリンセス役での怪演ぶりも強烈で、そのコメディエンヌぶりが、後年の代表作「不思議の国のアリス」の、主役を食う存在感を持ったハートの女王役にも現れました。

大きな評判を呼んだ、今年のウィル・タケット振付の「エリザベス」も、ロイヤル・オペラハウスでは上演されていますが、異例の作品です。(共演はカルロス・アコスタ) ゼナイダはロイヤル・バレエを引退しても、舞台での活動なども期待できるかもしれません。

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