勅使川原三郎+佐東利穂子「白痴」 KARAS APPARATUSにて(9月にはパリ公演も)

KARASでは6月7日より、勅使川原三郎振付によるアップデイトダンス公演No.52「白痴」を上演します。

ロシアの文豪ドストエフスキーの同名の長編小説「白痴」を基に構想されたこの作品は、 2016年にアップデイトダンスで初演し、その後シアターXで改訂再演し、いずれも高評をいただきました。 今秋にはパリ・シャイヨー劇場にて、フェスティバル ドートンヌ招聘公演として8日間上演が決定しており、 その後もイタリア他、ヨーロッパを中心に世界中で上演が予定されています。 それに先駆けて、またアパラタスで、この名作を上演します。

“原作と相対化した人物像を描くダンスではなく、言葉の内部での動き、
内的な動きが身体を動かすダンス、そのダンスが人間になる継続する生。
生に問いかけつづける答えをもたない身体がささやく、その叫びにならない力が全体を構成する。
文学ではなく身体が語る「白痴」と私は考えます。”
[初演時の勅使川原三郎のテキストより抜粋]

過去2回公演された勅使川原三郎さん『白痴』公演は、非常に美しいパフォーマンスで、つねにクオリティの高い勅使川原さんの近年の作品の中でも出色の傑作です。

チャイコフスキーのラリーナ・ワルツやショスタコーヴィッチの「ジャズ組曲」のワルツでドストエフスキーの世界へと引きずり込まれました。佐東利穂子さんの滑らかな動きはまさに誇り高い貴婦人。対して勅使川原さんはぎくしゃくしていることが多いが凄みがあり、強靭で雄弁でした。後半、上着を脱いだ勅使川原さんは、白いシャツ一枚に。このシャツのボタンをいくつか外すけど下の肌はほとんど見えない。それでもここでほとばしる官能。彼が苦悩して震える姿は、フランシス・ベーコンの絵画のようでした。

再演が繰り返され、このたびはパリ・シャイヨー宮を始め世界各国で上演されることになったこの美しい作品。光と闇が完璧にコントロールされた親密な小空間、KARAS APPARATUSで観られるのは非常に贅沢な、忘れがたい経験となります。

シアターX公演の際の紹介文

これまで、ポーランドの作家ブルーノ シュルツの短編を中心にガルシア・マルケスや、ロベルト・ムージルの小説等を基に創作したダンス作品は2013年から11作品に及びます。 勅使川原は、ある時は木製の劇場内部を、まるで部 屋の中のように内的な空間へと変え、またある時は不気味に深い暗闇を創り出し、作品によりその独特の劇場空間を最大限活用して創作するシアターX における公演シリーズは、毎公演ごとに全く異なり、新しく独自の美しい世界を創り出しています。

勅使川原三郎の『白痴』は、そのタイトルの通りロシアの文豪ドストエフスキーの長編小説「白痴」を基に創作されたダンス作品です。長大な物語の中にある愛、葛藤、欲望、純粋や深い精神世界の全てが 1時間のダンスに凝縮された本作は、時間をかけた蓄積が破裂するような生き生きしたダンスが内面に問いかけ続ける、勅使川原三郎と佐東利穂子にしか実現しえない、鍛え抜かれたその精神と強靭な身体が美しく強く紡ぎだす、まさに身体で語る『白痴』と言えます。

【タイトル】アップデイトダンスシリーズ No.52「白痴」

【出演 演出 照明】勅使川原三郎 【出 演】佐東利穂子
【会 場】カラス・アパラタス/B2 ホール 〒167-0051 東京都杉並区荻窪 5-11-15 F1/B1/B2

【料 金】一般 / 予約 3,000 円[当日 3,500 円] 学生 2,000 円 (予約当日共に)

【前売予約】updatedance@st-karas.com *全席自由

件名を「アップデイトNo.52」とし、ご希望の日付・住所・氏名・一般または学生・当日連絡のつく電話番号を記入のうえ送付
メール予約受付は各回とも前日の24時まで学生の方は当日受付で学生証を提示 *開演後の途中入場不可

【日程】2018 年 * 6 月 11 日(月)休演
6 月 7 日(木)20:00
6 月 8 日(金)20:00
6 月 9 日(土)16:00
6 月 10 日(日)16:00
6 月 12 日(火)20:00
6 月 13 日(水)20:00
6 月 14 日(木)20:00
6 月 15 日(金)20:00

【問い合せ】カラス・アパラタス 電話:03-6276-9136

「白痴」公演歴と今後の上演予定
2016
6 月 21 日~29 日 カラス・アパラタスにて初演 (8 回公演) [アップデイトダンス No.36]
12 月 14 日~18 日 東京・両国シアターX (5 回公演)

2018
6 月 7 日~15 日 カラス・アパラタス (8 回公演) [アップデイトダンス No.52]
9 月 27 日~10 月 5 日 フランス・パリ シャイヨー宮劇場にてヨーロッパ初演 (8 回公演)
[フェスティバル ドートンヌ招聘公演]
公演詳細ページ https://www.theatre-chaillot.fr/fr/saison-2018-2019/idiot
10 月 26 日 秋田文化会館 小ホール (1 回公演)




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