マリインスキー劇場初来日100周年で記念展

マリインスキー劇場のバレエ団は今から100年前の1916年6月16,17,18日の3日間、東京の帝国劇場で初めて公演を行いました。

それから100周年を迎えたのを記念して、まずは本拠地マリインスキー劇場において今年の6月に、日本初公演から100周年を記念した展示会が開催されました。

http://www.sankei.com/world/news/160616/wor1606160024-n1.html

https://this.kiji.is/115988494519617012?c=39546741839462401

そして、ウラジオストクのマリインスキー劇場沿海ステージでの展覧会を経て、東京でも本日より、ロシア大使館で展示会が行われました。

ロシアバレエ団訪日100年で展示会
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20161226/k10010820771000.html

露・マリインスキー劇場バレエ団の展示会
http://www.news24.jp/articles/2016/12/26/10350061.html

ロシア大使館での展示会に参加してきましたので、レポートします。

まずはロシアのアファナシエフ駐日大使があいさつ。昨日起きた、ロシア軍用機の墜落事故について言及しました。事故機には、ロシアで最も有名でレベルの高い楽団・舞踊団の一つアレクサンドロフ・アンサンブルのメンバーの3分の一が搭乗していたそうです。そのため、一同は起立して黙祷し、犠牲者の冥福を祈りました。

このような悲劇が起きても、今回のような重要なイベントはキャンセルはされない、文化交流は何よりも大事だからと大使は述べました。つい先日、ロシアのプーチン大統領が来日して首脳会談を行い、日露交流を促進していきたいとのことです。それは、経済交流、マスコミの交流、科学交流、そして文化交流の4つだそうです。そしてプーチン大統領の訪日前にこの展示を行うことができたとのことです。


1916年のマリインスキー劇場の来日公演はエレーナ・スミルノワ、ボリス・ロマノフ、オルガ・オブラコワの3人のダンサーの出演のみで、帝国劇場にて行われました。演目は「白鳥の湖」「バヤデルカ」「せむしの仔馬」からの抜粋などです。日本人はこの時初めて、チャイコフスキーのバレエ音楽を耳にすることができたのです。


プログラム内容(英語)


当時のプログラム


公演に出演したマリインスキー・バレエのエレーナ・スミルノワ


エレーナ・スミルノワも踊っているその頃の無声映像


日本公演に出演したマリインスキー・バレエのダンサー、ボリス・ロマノフ

「せむしの仔馬」を踊るエレーナ・スミルノワ


当時の書簡など


1916年といえば、第一次世界大戦のさなかですが、当時のロシアと日本は同盟国で関係の強化を進めていました。同年9月には、日本の閑院宮載仁親王(かんいんのみやことひとしんのう、1865-1945)ら代表団がサンクトペテルブルグを訪れ、マリインスキー劇場でバレエを鑑賞しました。そして、マリインスキーでは、日本代表団の前で、山田耕筰が作曲した音楽をボリス・アサイエフが編曲して、世界で初めて日本の曲のオーケストラ版が演奏されたのです。


アサイエフによる日本の楽曲の楽譜


閑院宮載仁親王

2015年にマリインスキー劇場のワレリー・ゲルギエフは、PMF(パシフィック・ミュージック・フェスティバル)の芸術監督に就任して活躍しています。また、ウラジオストクには、マリインスキー劇場の沿海ステージ(別館)がオープンしました。さらに、来年は日本におけるロシア文化フェスティバルの第11回が開かれます、「ロシアの季節」と銘打って日本各地で40以上の文化イベントを開催する予定とのことです。「ロシアの季節」という新しいロゴは全世界で使用されますが、最初に日本で始めるそうです。さらに、2018年には日露文化交流年とするということは、プーチン・安倍の会談で合意となったそうです。

来年6月はボリショイ・バレエ初来日60周年を記念する来日公演も行われます。
http://www.japanarts.co.jp/bolshoi_b2017/index.html




エレーナ・スミルノワの肖像画



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