芸術選奨文部科学大臣賞に佐東利穂子さん、同新人賞福岡雄大さん

平成29年度(第68回)芸術選奨文部科学大臣賞・同新人賞が決定しました。

http://www.bunka.go.jp/koho_hodo_oshirase/hodohappyo/1401983.html


◆文化庁 芸術選奨とは
優れた業績を上げた芸術家等の功績をたたえるための賞で、昭和25年度に発足した。演劇、映画、音楽、舞踊、文学、美術、放送、大衆芸能、芸術振興、評論等、メディア芸術の11分野において、その年に優れた業績をあげ、新生面を開いた人に贈られる賞。芸術選奨文部科学大臣賞または芸術選奨文部科学大臣新人賞がある。

舞踊部門の文部科学大臣賞は佐東利穂子(ダンサー)、西川箕乃助(日本舞踊家)、同新人賞は福岡雄大(バレエダンサー)に決定しています。

佐東利穂子さん

http://www.st-karas.com/news_jp/%E4%BD%90%E6%9D%B1%E5%88%A9%E7%A9%82%E5%AD%90-%E8%8A%B8%E8%A1%93%E9%81%B8%E5%A5%A8-%E6%96%87%E9%83%A8%E7%A7%91%E5%AD%A6%E5%A4%A7%E8%87%A3%E8%B3%9E%E5%8F%97%E8%B3%9E%E3%81%AE%E3%81%8A%E7%9F%A5%E3%82%89/


【贈賞理由】

「トリスタンとイゾルデ」ほかの成果

佐東利穂子氏の「トリスタンとイゾルデ」におけるダンスはまさに圧巻であった。屹立(きつりつ)する身体の絶え間ない変容は時空を越え、身体を使って表現するアーティストとして未踏の領域に入ったと言うことができる。独自の振付言語と一貫した美意識を貫く勅使川原三郎氏と長年に亘り活動を共にしてきた氏が、身体に対する深い思考によって新たな地平を切り拓(ひら)いた成果は、「静か」「顔」にも鮮やかに現れ、大きな飛躍を見せた一年となった。



福岡雄大さん
http://www.nntt.jac.go.jp/ballet/news/detail/26_012081.html


【贈賞理由】

「コッペリア」ほかの成果

福岡雄大氏は、早くから男性的で高度な舞踊技術、明朗で好感の持てる個性で注目を集めてきたダンサーである。近年は表現力や主役としての風格の点で急成長を見せており、平成29年は所属する新国立劇場バレエ団の全プログラムに主演。「コッペリア」フランツ役の洒脱(しゃだつ)さ、「ジゼル」アルべルト役の高貴な悲劇性をはじめ、役柄の深い理解によって作品を牽引(けんいん)し、舞台全体の成果を高めるような名演が相次いだ。日本のバレエ界をリードする存在として、さらなる飛躍が期待される。

より詳しい経過はこちらにあります。


舞踊部門は,文部科学大臣賞13名(選考審査員から8名,推薦委員から5名)文部科学大臣新人賞13名(選考委員から7名,推薦委員から6名)の推薦があった。第一次選考審査会の結果,それぞれの賞の各々5名が第二次選考審査会に残された。
両次共に緻密かつ活発な議論が交わされ,殊に文部科学大臣賞の第二次選考審査会は長時間に及んだ。そのような中で候補者は3名に収斂(しゅうれん)し,日本舞踊の西川箕乃助氏が年間の活動と斯界(しかい)における牽引的な役割が共に評価されてまず決まった。もう1名については更に議論が続き,平成29年の成果を改めて丹念に審議,国際的な活動や将来性において一歩抜きんでた,ダンサーの佐東利穂子氏が選ばれた。
文部科学大臣新人賞は,福岡雄大氏が同29年の圧倒的な舞台成果に多くの推薦を得て選出に至った。


勅使川原三郎さんの作品で活躍する佐東利穂子さんは、追従する者がいないほどのダンサーとしての高みに上り詰めた至高のアーティストと言ってよいでしょう。年々、表現力も精神性も身体性も進化し続け、彼女にしかできない圧倒的なカリスマ性を持っています。非常に多作な上、海外での活動も多い勅使川原さんにとってなくてはならない存在であり、どのパフォーマンスを見逃してもならないほどです。

福岡雄大さんは、文字通り新国立劇場バレエ団、そして日本を代表するバレエダンサーに成長しました。特に小野絢子さんとのパートナーシップは多くの人を魅了しています。この週末の、日本バレエ協会の「ライモンダ」では、アブデラクマンを演じるとのことで、新境地が見られることでしょう。



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