第18回英国ナショナル・ダンス・アワード受賞者

2016年9月1日から2017年8月31日までの間に英国で行われた公演を対象とし、500もの対象から絞り込まれたものです。Dance Section of the Critics’ Circleという60人の批評家からなる団体が選んだ第18回英国ナショナル・ダンス・アワード、受賞式が行われ、受賞者が発表されました。

https://www.thestage.co.uk/news/2018/critics-circle-national-dance-awards-2017-winners-full/


GRISHKO AWARD FOR BEST FEMALE DANCER 最優秀女性ダンサー
 

Zenaida Yanowsky (Royal Ballet) ゼナイダ・ヤノウスキー


DANCING TIMES AWARD FOR BEST MALE DANCER 最優秀男性ダンサー

Liam Riddick (Richard Alston Dance Company)

STEF STEFANOU AWARD FOR OUTSTANDING COMPANY 傑出したカンパニー

42ND Street


BEST CLASSICAL CHOREOGRAPHY 最優秀古典振付賞

Akram Khan for ‘Akram Khan’s Giselle’ (English National Ballet) アクラム・カーン「ジゼル」(ENB)


BEST MODERN CHOREOGRAPHY 最優秀現代振付賞

Michael Keegan-Dolan for ‘Swan Lake/Loch na hEala’ (Teaċ Damsa)


EMERGING ARTIST AWARD  新人アーティスト賞

Harry Alexander (Dancer, Michael Clark Company/ Julie Cunningham & Company)


OUTSTANDING FEMALE PERFORMANCE (MODERN) 傑出した女性モダン・ダンサー

Ashley Shaw as Vicky Page in ‘The Red Shoes’ (New Adventures) アシュリー・ショー 「赤い靴」(ニュー・アドベンチャーズ)


OUTSTANDING MALE PERFORMANCE (MODERN) 傑出した男性モダン・ダンサー

Robert Fairchild as Jerry Mulligan in ‘An American in Paris’ロビー・フェアチャイルド「パリのアメリカ人」



OUTSTANDING FEMALE PERFORMANCE (CLASSICAL) 傑出した女性クラシック・ダンサー

Alina Cojocaru as Giselle in ‘Akram Khan’s Giselle’ (English National Ballet) アリーナ・コジョカル「ジゼル」(アクラム・カーン)


DANCE EUROPE AWARD FOR OUTSTANDING MALE PERFORMANCE (CLASSICAL) 傑出した男性クラシック・ダンサー

Marcelino Sambé as Colas in ‘La Fille mal gardée’’ (The Royal Ballet) マルセリーノ・サンベ「ラ・フィユ・マル・ガルデ」


Ninette de Valois award for outstanding contribution to dance ダンス界への貢献へと贈られるニネット・ド・ヴァロワ賞

Lez Brotherston レズ・ブラザーストン 


クラシック、および現代作品での最優秀作品は、いずれも19世紀の古典バレエを読みかえた作品となっています。しかしアクラム・カーン振付作品が「クラシック作品」と位置付けられる日が来るとは。
Michael Keegan-Dolanは私は不勉強でほとんど知らないのですが、Fabulous Beast Theatreというカンパニーを主宰しており、ロイヤル・オペラハウスのオペラ作品の振付なども担当しています。こちらの「白鳥の湖」は、チャイコフスキーではなく、アイリッシュ・フォーク音楽を使っているとのことですが、とても面白そうです。

一方で、モダンダンサーの2部門は、マシュー・ボーン振付「赤い靴」のアシュリー・ショー、そしてクリストファー・ウィールドン振付「パリのアメリカ人」のロビー・フェアチャイルドと、いずれも20世紀の名作を基にしたミュージカル的な要素が強い作品となっています。さらに、最優秀カンパニーはバレエやモダンのカンパニーではなく、ウェストエンドで上演されたミュージカル「42ND Street」が選ばれており、ミュージカルシアターが高く評価された年となりました。

ロイヤル・バレエからは、先シーズンに「マルグリットとアルマン」で引退したゼナイダ・ヤノウスキー、そして若手ファースト・ソリストのマルセリーノ・サンベが選ばれています。
ゼナイダ・ヤノウスキーはロイヤル・バレエを引退したものの、ダンサーとしての活動は続けており、ロイヤルの「不思議の国のアリス」へのゲスト出演は怪我のために実現しませんでしたが、ノーザン・バレエが上演する、ケネス・マクミランの作品「ラス・エルマナス」にゲスト出演する予定です。

マシュー・ボーン作品の見事な舞台美術を数多く手掛けていた舞台美術家のレズ・ブラザーストンが、ニネット・ド・ヴァロワ賞を受賞しました。

受賞式の写真はこちらで観ることができます。司会を務めたのは、最も注目を集めている女性振付家の一人であるアナベル・ロペス・オチョアです。
https://www.flickr.com/photos/dancetabs/sets/72157663915979637

また、今年は初めて受賞式がネット中継されました。その映像も全編観ることができます。



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