薄井憲二さんが逝去

日本バレエ協会の前会長でバレエ史研究の第一人者だった薄井憲二さんが亡くなられました。93歳でした。

 東京生まれ。故東勇作氏のバレエ団に入った後、東京帝大在学中に応召し、終戦後4年間のシベリア抑留を経て帰国。再び東勇作バレエ団で活躍した。後に自らのバレエ団も結成し、後進育成にも尽力した。

 モスクワ国際バレエコンクールなど国際コンクールの審査員も歴任し、振付家、舞踊評論家などとしても活躍。2016年にはロシアのバレエ専門誌が主催する「踊りの魂賞」にロシア出身者以外では初めて選ばれた。


 
https://mainichi.jp/articles/20171225/k00/00m/040/103000c

日露のバレエ交流にも貢献した薄井憲二さん。そのシベリア抑留の体験については、こちらの記事で語られてます。(動画もあります)
ストーリー
薄井さんのシベリア抑留(その1) 華麗なバレエの陰に
https://mainichi.jp/articles/20161009/ddm/001/040/071000c

薄井さんの偉大な業績については、とても私などでは語りつくせませんが、バレエ界にこれほど多くの貢献をした方もいないほどでした。バレエに関する約6500点超の資料のコレクションでも知られ、所蔵する兵庫県立芸術文化センター(西宮市)が企画展などで公開しています。
薄井憲二バレエ・コレクション
http://www1.gcenter-hyogo.jp/ballet/contents/news/index.html

12月24日まで、京都の綾小路ギャラリー武にて、薄井憲二バレエ・コレクション特別展「バレエと日本趣味」が開催されていました。

2005年秋、兵庫県立芸術文化センターでのニジンスキー原振付、ミリセント・ホドソンが復元した『春の祭典』の日本初演があり、その舞台を観に行ったのですが、この舞台で薄井さんは村の長老役で舞台に立ちました。

2014年7月、六本木の国立新美術館での「魅惑のコスチューム バレエ・リュス」展の講演、そして2011年の昭和音楽大学の公開講座「日本バレエの創成期を語る―日本におけるバレエ教育の成立と変遷」で、薄井さんの貴重なお話を伺うことができました。後者については、講演内容の記録を読むことができます。90歳を越えても凛と姿勢よく、矍鑠としたお姿でした。
http://www.tosei-showa-music.ac.jp/balletresearch/work/work_h20_h24/project6.html

バレエに関する生き字引のようだった薄井憲二さん、もっとたくさんの貴重なお話を聞きたかったです。お悔やみ申し上げます。

薄井憲二さんも亡くなった (私たちは20世紀に生まれた 沼部信一さんのブログ)

http://numabe.exblog.jp/238114566/



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