『ミルピエ ~パリ・オペラ座に挑んだ男~』12/23(金・祝)より全国順次上映。マルク・モローよりコメント到着!

 バンジャマン・ミルピエがパリ・オペラ座の芸術監督に就任したニュースは、世界中のバレエファンを驚かせた。米国で長きに渡って活動してきたミルピエより、ニコラ・ル・リッシュやマニュエル・ルグリが有力候補と予想されていたからだ。その2013年の”事件”から約1年半後に、ミルピエ芸術監督辞任というセンセーショナルなニュースが再び世界を駆け巡った。

 この映画は、2015年当時のミルピエ芸術監督がはじめて挑んだ新作『クリア、ラウド、ブライト、フォワード』の完成までの40日間を追い続けたドキュメンタリーフィルムである。しかしながら、ただのシンプルなバレエ映画ではない。「伝統と革新」に挑むひとりの男の闘いでもある。古い体質を変えたい、ダンサーにより良い環境を与えたい、若手にチャンスを与えたいというミルピエ芸術監督の使命感に満ちた姿は感動的である。

 「パリ・オペラ座が社会の手本になれないのなら意味はない」と、初めて黒人と白人のハーフであるダンサーを主役に抜擢。パリ・オペラ座がはじまって350年以来の”大事件”である。「ダンサーの生命は短い。身体を労われ」を有言実行、ダンス専用の床に張り替えた。一方、「世界一のバレエ団という幻想に取り憑かれている」というミルピエ監督の手厳しい言葉もある。しかし、それは同バレエ団への深い愛情あってこその想いであり情熱である。そもそも変革を求めたからこその彼の起用ではなかったのか。

 ダンサーたちの迫力溢れるリハーサルシーン、照明係、専門医師、衣裳係、作曲家などのクリエイターたちの真剣勝負の舞台裏は、すべてのシーンに無駄がなく、一瞬たりとも見逃せない濃密な114分間となっている。ミルピエ芸術監督が、本番直前にダンサーに語りかけるクライマックスは胸に迫る。

 出演ダンサーは、レオノール・ボラック、ユーゴ・マルシャン、ジェルマン・ルーヴェ、アクセル・イーボ、エレオノール・ゲリノー、レティツィア・ガローニ、マリオン・バルボー、マルク・モロー、オーレリー・デュポンほか。

©FALABRACKS,OPERA NATIONAL DE PARIS,UPSIDE DISTRIBUTION,BLUEMIND,2016

 

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©FALABRACKS,OPERA NATIONAL DE PARIS,UPSIDE DISTRIBUTION,BLUEMIND,2016

<パリ・オペラ座バレエ団スジェのマルク・モローよりコメント到着>

Q:前ミルピエ芸術監督の素晴らしかった点と、または困難だったと感じた点は?

A:ミルピエ芸術監督就任は、僕たちにとって「真の希望」でした。組織を何らかの形で変化または現代化してゆくことができると感じたからです。ミルピエ芸術監督はすべてのスタジオの床を新しく貼り替えてくれて、専属の医者や健康面での管理を徹底してくれました。また、僕にアーティストとのコラボ出演や、ソロで踊る機会を与えてくれました。
 スタジオで彼の才能を間近で見、創作プロセスに関われたのは素晴らしい体験でした。彼といっしょに”アドヴェンチャー”を経験できた僕たちダンサーはとても幸運だったと思います。
 
Q:オーレリー・デュポン現芸術監督に期待することは?
A:デュポン芸術監督はパリ・オペラ座を知り尽くしている人ですので、全面的に信頼して安心して付いて行きたいと思っています。

 

 



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