ボリショイ・バレエの2017-18シーズン予定など

9月12日にボリショイ劇場はオペラ「ボリス・ゴドノフ」でシーズンを開き、またメジンスキー文化相、ウリン総裁、音楽監督ソヒエフとバレエ芸術監督ワジーエフの記者会見が開かれました。

http://www.mk.ru/culture/2017/09/12/prapravnuchka-matildy-kshesinskoy-popolnila-truppu-bolshogo-teatra.html

まずは、公演が初日直前に中止となり、また演出を担当したキリル・セレブレンニコフが逮捕されてしまったバレエ作品「ヌレエフ」について。最初、この作品は2018-19シーズンへと延期となり、次に2018年5月、そして2017年12月初演となりました。ウリンは「今シーズン『ヌレエフ』を確実に上演することを強く希望しています。セレブレンニコフセレブレンニコフを捜査している捜査委員会にも、彼とミーティングができるように依頼しています。この作品は、セレブレンニコフの許可の下で上演できるようにしなければなりません」 ワジーエフも、「ヌレエフ」が2017年12月に上演できることを期待しているとのことです。

ボリショイ・バレエは22人の新入団員がいます。ボリショイ・アカデミーの出身者だけでなく、ワガノワ・アカデミー(マチルダ・クシェシンスカヤの血縁になるエレオノラ・セヴェナルドと、ツィスカリーゼの教え子であるイーゴル・ゲラシシェンコなど)やノボシビルスク、ペルミのバレエ学校の卒業生もいます。

(入団者の一覧はこちら。Anna Grigorieva, Anastasia Ermolaeva, Darya Kanshina, Anna Lebedeva, Tatyana Osipova, Stanislava Postnova, Eleonora Sevenard, Sofia Smirnova, Tatyana Tiliguzova, Ekaterina Fateeva, Valeria Shikina, Maria Shuvalova, Yegor Gerashchenko, Vitaliy Getmanov, Pyotr Gusev, Grigory Ikonnikov, Ilya Karpovich , Sergey Kuptsov, Arsentii Lazarev, Igor Pugachev, Oscar Frame, Mark Chino オスカー・フレーム(インタビュー記事)は、ワガノワ・アカデミーを卒業した英国人でツィスカリーゼの教え子です。ほかに注目されるのは、インスタグラムのruby.tearで有名なスタニスラヴァ・ポストノヴァと、タチアナ・オシポワ、モスクワ国際バレエコンクールジュニア2位のIgor Pugachevです)

その中で、モスクワ国際バレエコンクールで金賞を受賞した千野円句さんが、もっとも期待される入団者だと話ジーエルは称えています。9月の「エチュード」で千野さんを主役に抜擢したのは、ロシアバレエの歴史の中でも稀なことだそうで、ニジンスキー、ヌレエフ、ヴィシニョーワ、イワン・ワシーリエフなどと並ぶことだそうです。

242回目となる今シーズン、オペラとバレエと合わせて11の新しいプロダクションが予定されています。『ヌレエフ』の他、3月23日にボリショイ劇場でのジョン・ノイマイヤー振付の『アンナ・カレーニナ』が初演され、そしてラトマンスキー振付『ロミオとジュリエット』は11月22日、イリ・キリアンの『忘れられた土地』(音楽はブリテンの「レクイエム」)は11月2日に、先シーズン初演されたロビンスの『檻』と『エチュード』と共に上演されます。

2018年6,7,8日に予定されていたマリウス・プティパ生誕200周年記念公演「The Great Petipa」はキャンセルされました。この公演は、ブルーラカ、ヴィハレフ、ラトマンスキーという3人の振付家がプティパの作品を復元して上演するという企画だったのですが、セルゲイ・ヴィハレフの急逝を受けてキャンセルされてしまいました。プティパ200周年には、5月31日に世界のバレエスターを集めてのガラ公演が行われるとのことです。また、久しぶりにプティパの『ファラオの娘』を復活させようとワジーエフは提案しているそうです。

ヴィハレフが復元した『コッペリア』(プティパ、チェケッティ)はレパートリーに復活しました。当初は12月14日に新劇場でリバイバルが予定されていましたが、その日は『パリの炎』が上演されることになりました。ヴィハレフの急逝に伴い、また『ヌレエフ』の初演が12月に予定されていることもあり、シーズン後半に上演されることになります。



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