ダニール・シムキンが2018-19シーズンにベルリン国立バレエに移籍

日本でも大変人気のあるダニール・シムキン(現ABTプリンシパル)が、2018―19シーズン(2018年9月)にベルリン国立バレエに移籍すると報道されています。

Daniil Simkin Joins Staatsballett Berlin
https://www.nytimes.com/2017/09/08/arts/dance/daniil-simkin-joins-staatsballett-berlin.html?_r=0

ベルリン国立バレエは、2018年の6月に現芸術監督のナチョ・ドゥアトが退任し、振付家のサシャ・ヴァルツと、スウェーデン王立バレエの芸術監督だったヨハネス・オーマンが芸術監督に就任する予定です。(オーマンは2018年に、ヴァルツは2019年に就任)

現在ニューヨークのグッケンハイム美術館で自らがプロデュースする “Falls the Shadow” 公演を行っている最中のシムキンは、ニューヨークタイムズのインタビューに答えて、「自分はそもそもはクラシック・バレエのダンサーです。ベルリン国立バレエでは、アレクセイ・ラトマンスキーが振付ける新しい『ラ・バヤデール』が2018―19シーズンに初演される予定であり、楽しみにしています」

その一方で、北米では上演される頻度が少ないマッツ・エック、クリスタル・パイト、オハッド・ナハリン、ウィリアム・フォーサイスの作品を踊ることができるのを期待しているとも語っています。

なお、ABTでも引き続き、ゲスト・プリンシパルとしてシムキンは踊る予定とのことです。

ベルリン国立バレエのプレスリリース
http://www.staatsballett-berlin.de/en/presse/mitteilungen/08-09-2017/85

サシャ・ヴァルツとヨハネス・オーマンは、シムキンが入団するのを楽しみにしているとコメントしています。「わたしたちにとってシムキンは世界の男性クラシックダンサーの中で5本の指に入る一人です。素晴らしい芸術性と高度の技術を持っています。ベルリン国立バレエの常任メンバーとして彼を迎えることを嬉しく思います」

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ダニール・シムキンはもともとはロシア人ではあるものの、ヴィスバーデン州立バレエのダンサーであった父親ドミトリーのもとでドイツで育ち、ドイツ国籍を所有していてABTに入団する前にはウィーン国立バレエのダンサーでした。したがってベルリンへの移籍は、故国に戻るようなものだと思われます。また、ベルリン国立バレエのヤーナ・サレンコとは多くのガラで共演してきました。北米のカンパニーではなかなか先進的な振付家と仕事をすることが難しく、また芸術環境としても、観客の成熟度においても、ヨーロッパの方が恵まれているのは言うまでもありません。ガラ公演などに出演することが多いシムキンにとっても、ヨーロッパを拠点とする方が、移動もしやすいしたくさんゲスト出演できるという利点があります。

ベルリン国立バレエは、マラーホフ退任後、いろいろとゴタゴタしていて退団するダンサーも多かったのですが、新しいカンパニーに生まれ変わる途上であるとともに、古典のレパートリーも保持し続けるということで、刺激的な時期に来ていると思われます。この移籍は英断だと思われます。シムキン、いつの間にか29歳になっていたんですね。

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