マリインスキー・バレエでダンサーとして活躍後、振付指導者として数々のバレエの復元などを行なったセルゲイ・ヴィハレフが急逝しました。55歳の若さでした。
https://rg.ru/2017/06/02/reg-szfo/v-peterburge-skonchalsia-baletmejster-mariinskogo-teatra-sergej-viharev.html
マリインスキー劇場での公式発表(ロシア語)
https://www.mariinsky.ru/news1/2017/06/02_2
1980年にワガノワ・アカデミーを卒業してマリインスキーに入団したヴィハレフ。同年にはヴァルナ国際バレエコンクールで金賞を受賞し、1985年のモスクワ国際バレエコンクールでも受賞しています。やがてダンサーとして頭角を現してファーストソリストまで昇進し、「ロミオとジュリエット」のマキューシオ、「ジゼル」のアルブレヒト、「眠れる森の美女」のデジレ王子などを踊ります。
1999年から2006年までノヴォシビルスク劇場バレエのプリンシパルバレエマスター、そして2007年以来、ヴィハレフはマリインスキー劇場で教師として後進の指導に関わる一方で、フォーキンやプティバ作品の再振付に情熱を傾けるようになります。
マリインスキー劇場では、「眠れる森の美女」(1999)、「ペトルーシュカ」(2009)「ラ・バヤデール」(2002)、「フローラの目覚め」(2008)、「カルナヴァル」(2008)を手がけています。「カルナヴァル」はNBAバレエ団でも2007年に上演されてきます、
またボリショイ劇場では2008年に「コッペリア」の復元版を上演し、この版は日本バレエ協会でも上演されました。ミラノ・スカラ座では2011年に「ライモンダ」を復元上演し、この作品はDVDに収録されています。
来年はプティバ生誕200周年にあたり、ボリショイ劇場では、ヴィハレフ、ラトマンスキー、ブルラーカの3人の振付家がプティバ作品の復元を行なって上演するトリプル・ビルが予定されていました。(作品名は未定)
古典作品の復元・復刻に素晴らしい才能を発揮したヴィハレフのあまりに早い死は、バレエ界にとっては非常に大きな損失です。
指導者としても優れているヴィハレフは、マリインスキーではオレシア・ノーヴィコワを教えているということです。ロシア功労芸術家。
あまりの若さでの突然の訃報に言葉がありませんが、お悔やみ申し上げます。
「ラ・ヴィヴァンディエール」をエレーナ・パンコワと踊るヴィハレフ
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