2016年に、ボリショイ・バレエの芸術監督に就任したマハール・ワジーエフの後任として、ミラノ・スカラ座バレエの芸術監督にマウロ・ビゴンゼッティが就任しました。が、レパートリーが大幅にコンテンポラリー寄りとなったことでダンサーの大きな反発を食らい、デモが行われる事態となりました。そしてこのレパートリーは観客にも批評家にもそっぽを向かれてしまいました。
ビゴンゼッティは健康上の理由から、一シーズン目、2016年10月に早くも退任。芸術監督代行に、元芸術監督にフレデリック・オリヴィエリが就任していました。
そして、このオリヴィエリがスカラ座バレエの芸術監督に復帰することになりました。任期は3年。
Good news… Frédéric Olivieri’s back to head the La Scala Ballet
https://www.gramilano.com/2017/05/good-news-frederic-olivieris-back-head-la-scala-ballet/
スカラ座のアレクサンドル・ペレイラ総裁がオリヴィエリの就任を発表したところ、ダンサーたちは歓迎の意味を込めて大きな拍手を贈ったとのことです。
フレデリック・オリヴィエリは、パリ・オペラ座バレエ、モンテカルロ・バレエ、ハンブルグ・バレエで活躍。大けがで32歳の時にダンサーを引退しましたが、2002年から2007年までミラノ・スカラ座バレエの芸術監督となります。退任後は、ミラノ・スカラ座バレエ学校の校長を務めていました。講習会やコンクールの審査員などでたびたび来日しています。
2017-18シーズンの構想としては、アンナ・マリー・ホームズ版「海賊」の新プロダクション(美術はルイザ・スピナッテリ)が予定されているとのことです。また「ラ・バヤデール」もレパートリーに復帰するとのこと。
クラシック・バレエの歴史上大きな役割を果たしていたイタリアですが、現在ではクラシックを上演するバレエ団は、スカラ座とローマ歌劇場バレエのみとなってしまいました。前回の芸術監督時代も評判の良かったオリヴィエリは、クラシックの灯を守る重要な役割を果たすことになります。
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