勅使川原三郎 KARAS APPARATUS アップデイトダンスNo.45 「硝子の月」

4月30日まで上演されていた、勅使川原三郎さんと佐東利穂子さんの「トリスタンとイゾルデ」

KARAS APPARATUSで昨年上演されていた時も、勅使川原さんの最高傑作の一つで、この上なく美しく、圧倒的なダンスがドラマを紡ぎ出していた作品でしたが、シアターXでの再演でパワーアップしました。

ここでも魔術的なほどのコントロールされた照明で、無限の広がりを感じさせ、運命の恋人たちの愛と死をミニマルだかドラマティックに演出。APPARATUSほどの小空間ではなくても、照明効果でふっと人が消えたり現れたり、勅使川原さんの公演の照明の見事さにはいつも魅せられます。

後半の佐東さんの爆発ぶりが凄まじい。勅使川原さんとの触れ合わないのに周波数で同期するデュエットから、彼が消えた後残されたコートを被り慟哭するソロ、そして終幕へ。狂おしいまでの熱情に包まれる、圧倒的なパフォーマンスに魂を掴まれました。この人は本当に人間なんだろうか、と思うほど佐東さんのダンスは凄絶でスピーディな中に情感がこもっていました。上演時間4時間の「トリスタンとイゾルデ」の世界を、1時間に凝縮して、愛と死の無限循環を見せてくれたステージ、心に残るものでした。

「トリスタンとイゾルデ」は、この後、イタリア、そしてフランスでの公演も予定されているとのことです。


さて、KARAS APPARATUSでは、アップデイトダンスNo.45 「硝子の月」を5月5日より上演します。
http://www.st-karas.com/camp0713-2/

“ガラス”や “月”というモチーフは勅使川原さんが創作を続ける中でこれまでも重要なモチーフとして扱ってきました。今年 4 作品目のアップデイトダンスは、原作を持たない全く独自の創作です。

アップデイトダンス作品は、「白痴」や今回の「トリスタンとイゾルデ」のように、クオリティの高い作品はシアターXなどより大きい舞台で上演され、さらに海外でのツアーでも上演されたりすることもあります。作品の誕生に、親密な空間で立ち会える機会、ぜひ体験してください。

出演 勅使川原三郎 佐東利穂子

演出 / 構成 勅使川原三郎

【日時】
2017年
5月5日(金)20:00
5月6日(土)20:00
5月7日(日)16:00
5月8日(月)20:00
5月9日(火)休演日
5月10日(水)20:00
5月11日(木)20:00
5月12日(金)20:00
5月13日(土)16:00
開演30分前より受付開始、客席開場は10分前

【会場】カラス・アパラタス/B2ホール
〒167-0051杉並区荻窪5-11-15 F1/B1/B2

【料金】(全席自由)
一般 予約 2500円 当日3000円 学生1500円(予約,当日共に)

【予約】メール updatedance@st-karas.com 
件名を「アップデイトNo.45」として、本文にご希望の日付・
一般または学生・枚数・郵便番号・住所・氏名・
日中連絡のつく電話番号をご記入ください。
予約は各回前日の24時まで受け付けています。

【問合せ】
TEL. 03-6276-9136




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