谷桃子バレエ団75周年ガラ開催! 森岡恋インタビュー

「TMB HISTORY GALA PERFORMANCES」で、『リゼット』『ドン・キホーテ』『シンデレラ』の三作品に出演します。配役されたときの心境をお聞かせください。

森岡>配役表を見たときはもうドキドキでした。最初に『リゼット』に名前があるのを見つけて、“やった!”と思って。70周年記念公演のとき『リゼット』の全幕を上演していたのを見て、すごく可愛らしい雰囲気で、私も踊ってみたいと思っていたんです。

『ドン・キホーテ』はバリエーションの練習をしたことはあるけれど、舞台で踊るのははじめてです。曲も好きだし、盛り上がる演目だから、やはり踊ってみたいなとずっと思っていて。『リゼット』も『ドン・キホーテ』もどちらもハッピーな踊りですよね。どちらかというと私のイメージに合った踊りに配役していただけたので、そこもすごくうれしかったところです。

『シンデレラ』はもともとアンダーで入っていたけれど、追加公演が決まり、3日目に踊らせてもらえることになりました。

3役も踊らせていただけてうれしいのと同時に、3役とも全部キャラクター性が違うので、脳内の整理がちょっと大変です(笑)。ただいろいろ踊ることができるのはやっぱり幸せです。

ガラ自体もそれぞれの作品のいいとこ取りで、11演目もあるのでいろいろなダンサーを見ることができる。私も『ダッタン人の踊り』はYouTubeでしか見たことがなくて、『ライモンダ』や『海賊』にしても普段観ている作品とはちょっと違うと聞いているので、とても楽しみにしています。

東京タワー公演

リハーサルの様子をお聞かせください。

森岡>作品ごとに主任の先生と担当の先生がいて、それぞれの先生に教わっています。

『リゼット』の主任は尚子先生。『リゼット』は尚子先生が1番踊られた作品でもあり、「この角度にしたらいいよ」とパッと見せてくださるふとした仕草に先生が大事にしてきた踊りやこだわりの全てを感じます。だから、見て学ぶことが本当に多くて。ちょっとした角度、目線の使い方、腕の高さの違いひとつでニュアンスってすごく変わってくる。どれだけそれを自分の中に学び込めるか、というのが私にとっての課題でもあります。

『リゼット』は体力的に異常にしんどいですね(笑)。『ドン・キホーテ』の方がしんどそうに思われるけど、意外とそれほどでもないというか。キトリは32回のフェッテが入っているけれど、リゼットは最後の1番しんどいときに20回のフェッテがあるので、それに比べれば『ドン・キホーテ』の方が体力的には全然ラクな気がします。

はじめて『リゼット』を通したときはもう大変。ずっと走って跳んでいるので、終わった瞬間パートナーの松尾⼒滝さんと2人とももう立っていられないくらいヘトヘトになってしまって。音が明るく盛り上がる曲だから、そこに助けられてはいるけれど、それでもやはりしんどいですね。松尾さんとは昨年の学校公演『くるみ割り人形』のクララのパ・ド・ドゥを一緒に踊っています。彼はすごくポジティブな方。私の3歳上ですけど、相談しやすく、『くるみ割り人形』のときも励まし合いながら踊った想い出があります。

今の課題は身体づくり。リハーサルが続くと、翌日の筋肉痛がひどくて、身体がもうバキバキです(笑)。普段踊っていても、やっぱり使い方が全然違うんですよね。あと自分で自分にプレッシャーをかける癖があって、『白鳥の湖』のときもそうでした。自分で自分を追い込んで、あまりご飯食が食べられなくなってしまって。あのときはアドレナリンでどうにかなっていたけれど、絶対的な栄養素は足りていなかったと思います。『リゼット』が体力勝負だからこそ、肉体改造もしなければと思って、今は毎日の食生活に気をつけるようにしています。

新春公演『白鳥の湖』

『ドン・キホーテ』は主に主任の日原永美子先生に教えていただいています。パートナーは⽥村幸弘さん。教えるのがすごく上手で、できなかったときも、“ここがこうなっていたからここをこうしてみよう”と、説明がすごくわかりやすい。きっと頭がいいんでしょうね。年はちょっと離れてはいるけれど、相談もしやすく、話し合いながらつくっています。

『リゼット』も『ドン・キホーテ』も明るい曲で、ストーリー的には似たものがあるけれど、片や村娘で、片やスペインのお話でスパニッシュの要素が入ってる。だから同じような作品に見せたくないという気持ちがあります。『リゼット』は可愛らしく、無邪気な感じの少女。キトリはスペインのエッセンスを加えて、勝ち気で大人っぽいキャラクター像を目指したいと思っています。

今回の『シンデレラ』はこれまでのバレエ団の振付ではなくて、尚子先生の新しい振付です。古典のザ・クラシックとはちょっと違って、尚子先生の世界観になっているのを感じます。尚子先生の音の取り方も本当に素敵で、振り移しをしていても本当に楽しいですね。

パートナーは『白鳥の湖』でも一緒に踊った森脇崇行くん。チーム広島です(笑)。彼とは地元のスタジオが一緒で、小学生のときから知っているので、もう11、12年の付き合いになるでしょうか。彼の方が一歳下だけど、世代も近いのでコンクールも同じ部門に出たり、発表会で一緒に踊ったりしていました。昔から知っているからこその安心感というのはやはりありますね。

身長的にもちょうどよくて、年も近いからもお互いにアイデアを出せる。『白鳥の湖』のときも“ここをこうしてみない?”“この音の取り方でやってみない?”と、演技面など細かく相談してました。

新春公演『白鳥の湖』

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