第45回ローザンヌ国際コンクールのファイナルが行われ、結果が発表されました。
http://www.prixdelausanne.org/prize-winners-2017/
1位、コンテンポラリー賞、ベスト・スイス賞 MICHELE ESPOSITO イタリア(チューリッヒ・ダンス・アカデミー) 17歳 「ラ・バヤデール」「ニジンスキー」
2位、観客賞 Marina da Costa Fernandes ブラジル(プリンセス・グレース・アカデミー) 17歳 「ドン・キホーテ」 「プレリュードCV」
3位 中尾太亮 日本 (マンハイム・アカデミー) 17歳 「白鳥の湖」「ヴァスラフ」
4位 山元耕陽 日本 (アクリ堀本バレエアカデミー) 15歳 「ラ・フィユ・マル・ガルデ」「ヨンダリング」
5位 LAUREN HUNTER アメリカ合衆国 (Peninsula School of Performing Arts)15歳 「海賊」「バッハ組曲2番」
6位 STANISLAW WEGRZYN ポーランド(ミュンヘン・バレエ・アカデミー) 18歳 「ジゼル」「ヴァスラフ」
7位 DIANA GEORGIA IONESCU ルーマニア(チューリッヒ・ダンス・アカデミー) 16歳 「パキータ」「ノクターン」
8位 SUNU LIM 韓国 (Sunhwa Arts School )17歳 「ジゼル」「Wrong Note Reg」
ヌレエフ財団賞 16歳 DENILSON ALMEIDA ブラジル(Petite Danse School of Dance) 「コッペリア」「ヴァスラフ」
ファイナルの動画
http://concert.arte.tv/fr/finale-du-45eme-prix-de-lausanne?language=jp
1位のミケーレ・エスポジートは、イタリア人ですがチューリヒ・ダンスアカデミーの生徒ということでベスト・スイス賞も受賞。「ラ・バヤデール」のソロルも素晴らしかったですが、とにかく「ニジンスキー」の情熱的で入魂のパフォーマンスが圧倒的で、セミファイナルの時から注目していました。
2位のMarina da Costa Fernandesは、手脚が長くて甲がよく出ており、キトリのエシャッペがとても映えてていました。技術も強く華があり、観客賞も納得です。
3位の中尾さん、白鳥の王子は貴公子でした。トゥールザンレールの着地が柔らかくてきれいな5番、脚のラインも美しかったです。
4位の山元さんは、常連アクリ堀本バレエアカデミーの生徒さん。年齢も若くこれからのところもありましたが、「ラ・フィユ・マル・ガルデ」のピルエットには驚かされました。「ヨンダリング」が表現力があり良かったです。
5位のローレン・ハンターはちょっとノーマークでしたが、バッハ組曲2番は音楽性豊かでとても良かったです。
6位のSTANISLAW WEGRZYNは、ジゼルのアルブレヒトがロマンティックで端正でした。「ヴァスラフ」を踊ったファイナリストは多かったのですが、彼がその中では一番良かったかもしれません。
7位 DIANA GEORGIA IONESCUは金髪の大人っぽい美人さんで、「パキータ」のヴァリエーション、きれいでした。
8位 SUNU LIMはアルブレヒトも良かったですが、ノイマイヤーの「Wrong Note Reg」が音楽性豊かで、難しい振付を軽やかにこなしていて印象的でした。
入賞しなかったのですが、中国のFANG QI LIは非常にプロポーションが美しく、格調高い「パキータ」のエトワールのヴァリエーションに魅せられたので、クラシックの時点では入賞するかなと思ったのです。コンテンポラリーが少し弱かったのかもしれません。
バレエ、中尾さん3位
山元さん4位、ローザンヌ国際
http://www.47news.jp/news/2017/02/post_20170205000608.html
ローザンヌ国際バレエコンクール 日本人2人が入賞
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170205/k10010865361000.html
バレエ中尾さん、地元松山で祝福 けが乗り越え快挙
http://www.chunichi.co.jp/s/article/2017020501001062.html?ref=rank
ローザンヌ国際バレエ 日本人2人が入賞
http://www.news24.jp/articles/2017/02/05/10353318.html
バレエコンクール、特にローザンヌ国際バレエコンクールの話題はこのブログでも非常に人気が高くて、アクセスもとても多いのです。日本人ダンサーのレベルの向上は素晴らしく、今回のファイナリストを見てもわかる通り、体型や容姿、表現力でも欧米に引けを取らないダンサーも出てきました。しかし、日本からの応募がこれだけ多いというのは、才能あるダンサーは海外で学ばないとバレエダンサーになるのは難しく、またバレエダンサーとして食べていくことも難しいという事実の反映でもあります。実際セミファイナリストのリストを見ても、すでに海外のバレエ学校で学んでいる人も多いのです。
ローザンヌ国際バレエコンクールが素晴らしいのは、教育、育成目的のコンクールであり、受賞するということは単なる一つの通過点であり、スカラシップを授与することが賞品となっていることです。賞を取ることは目的ではなく、賞を取る、参加することでダンサーとなる出発点にようやく立てたということです。
セミファイナリストとなると、数日間にわたって一流の教師陣(今年は、モニク・ルディエール、パトリック・アルマン、ヨハン・ステグリ、ディディ・ヴェルドマンなど)に教えを乞うことができ、また世界中から集まった若いダンサーや、バレエカンパニーの関係者と交流できます。これらの貴重な経験は、何事も代えがたいものでしょう。
今年は、ジョン・ノイマイヤーが長年のローザンヌ国際バレエコンクールへの貢献をたたえられ、ライフタイム・アチーブメント・プライスという賞を授与されました。数年前にもありましたが、今年もコンテンポラリーのヴァリエーションがすべてノイマイヤーの作品だったので、出場者たちは彼の作品を、ハンブルグ・バレエ出身で彼の作品を知る教師たちから学ぶという経験を得ることができたのです。授賞式の前にノイマイヤーのスピーチがありましたが、出場者全員にスカラシップを挙げたいほどだと彼は語りました。ここにたどり着いたこと自体が素晴らしいということです。また、他の審査員も、「誰もがウィナーです」と語っていました。
たとえファイナルには到達できなくても、入賞できなくても得られる経験は大きいということです。また、ローザンヌ国際バレエコンクールはネットワーキングフォーラムがあり、ファイナリストでなくとも、様々なバレエ学校やカンパニーの人達に会い、踊りを見てもらい、スカラシップを獲得するチャンスがあります。
日本でもバレエコンクールは花盛りですが、ローザンヌ国際バレエコンクールのように育成、教育を目的としたコンクールがあるといいと思います。(実際にはあるのかもしれませんが) チャコットやアトリエヨシノがローザンヌ国際バレエコンクールのスポンサーとなっていることは素晴らしいことですが、日本国内でもこういうことができるといいですよね。