新国立劇場バレエ団『くるみ割り人形』公演映像オンデマンド配信開始/「ニュー・イヤー・バレエ」配信の成果

新国立劇場では、1月15日からは2020年12月に上演したバレエくるみ割り人形』の公演映像有料配信を行います。
普段、新国立劇場にお越しいただくのが難しい方も、この機会にぜひ日本最高峰のバレエ団による『くるみ割り人形』をおうちで楽しむ機会です。
 
文化庁委託事業「文化芸術収益力強化事業」
新国立劇場バレエ団『くるみ割り人形』公演映像オンデマンド配信
 
視聴券料金:980円(税込)
販売期間:1月15日(金)12:00~2月14日(日)
配信メディア:
 
※購入後72時間の視聴が可能です。
※視聴環境、方法に関しては各配信サイトからお問い合わせください。
※Vimeoのみ海外からの視聴が可能です。
※視聴用URLはそれぞれ配信開始日よりオープンします。
(c)瀬戸秀美
<キャスト>
クララ/こんぺい糖の精:小野絢子
ドロッセルマイヤーの甥/くるみ割り人形/王子:福岡雄大
ドロッセルマイヤー:貝川鐵夫
ねずみの王様:奥村康祐
ルイーズ:池田理沙子
雪の結晶:柴山紗帆、 渡辺与布
花のワルツ:柴山紗帆、 飯野萌子、 井澤 諒、 原 健太

音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー/振付:ウエイン・イーグリング/美術:川口直次/衣裳:前田文子/照明:沢田祐二/指揮:冨田実里/管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団/合唱:東京少年少女合唱隊

 さらに、1月22日(金)には『くるみ割り人形』の舞台裏を映した特別ドキュメンタリー映像の配信が決定しました。(各配信サイトにて配信)

 

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なお、新国立劇場1月バレエ公演「ニューイヤー・バレエ」は、公演関係者1名の新型コロナウイルス感染により公演を中止しましたが、1月11日(月・祝)に無観客で上演し、YouTubeとFacebook上で無料のライブ配信を行いました。
(c):長谷川清徳

配信発表から大きな反響があり、同時視聴者数は2.8万人を超え、このたび集計にて延べ15万6338回の視聴回数であったことがわかりました。
 
ライブ配信冒頭では、吉田都舞踊芸術監督があいさつし、「一日限りだが公演が実現し、こうして配信という形で皆様にお届けできることを嬉しく思う。ダンサーたちは3日間の自宅待機を経て急に舞台稽古に突入したが、この数日本当に集中してリハーサルに励んだ」と経緯の説明と、観客の声援への感謝を述べました。
「ニューイヤー・バレエ」では、ロシア・バレエの伝統美を堪能できる古典『パキータ』本年9月に逝去した故・深川秀夫振付の『ソワレ・ド・バレエ』、新国立劇場バレエ団ダンサーにより振付された『Contact』『カンパネラ』、そしてビントレーの人気作『ペンギン・カフェ』を上演。新国立劇場バレエ団ならではの演目が上演されました。
この配信は、新国立劇場バレエ団のレパートリーの多様性とダンサーたちの様々な顔を見られる機会となり、ペンギン・カフェ・オーケストラの音楽や、可愛らしい着ぐるみ姿もあってバレエファン以外の方の間でも話題となり、「ペンギン・カフェ」はTwitterのトレンド入りをするなど、大きな成功を収めました。生で観ることができなかったのは残念でしたが、日本全国、そして時差の関係でヨーロッパや北米東海岸はやや難しい時間帯ですが海外の多くの人々に、生配信で臨場感のあるバレエを届けることができたのは大きな成果です。公演中止で劇場は大きな損害を受けており、新国立劇場のインターネット小口寄付も多く寄せられたとのことです。
配信の内容としても、非常に優れたものとなりました。特に「パキータ」のタイトルロールの米沢唯さん、パ・ド・トロワの速水渉悟さん、柴山紗帆さん、池田理沙子さんはクラシック・バレエの粋を体現したと言えます。『コンタクト』は米沢唯さんが初演キャストでしたが、今回は小野絢子さんが踊ってまったく違う表現を見せました。『ペンギン・カフェ』は再演を繰り返している作品なので作品を理解しているダンサーが多く、被り物をかぶっていても出演者の個性がにじみ出るような踊りが楽しかったです。その一方で、悲劇的ともいえる終わり方で、絶滅危惧種や地球温暖化などの問題について考えさせられました。
「ニュー・イヤー・バレエ」の配信につきましては、海外のクラシック音楽、ダンスサイトBachtrackに英文レビューを寄稿しましたので、そちらもぜひお読みください。(Bachtrackには「ドン・キホーテ」「くるみ割り人形」のレビューも寄稿しています)

 



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