会場全体が一体となったカーテンコール


 みなさまご無沙汰しております。本日のブログはライターSによるドン・キホーテのレポでございます。去る926日、場所はおなじみの東京文化会館に、久しぶりにバレエファンが集いました。まだまだ、都外から足を運ぶには時勢が難しく、泣く泣くあきらめた方も多かったと思いますので、できるかぎり当日の様子をこちらでお伝えできたらと思います。

 

 

会館に入るとアルコール消毒のスプレーが用意されており、席数を半数に絞り、万全なコロナ対策のもと観覧できるようにという運営の方々の苦心がうかがえました。

 

ロビーではいつものシャンパーニュなどのドリンク販売が中止となっており、精養軒の席もクローズ。人数が少ないので当然ですが、ざわつきも普段より静かでちょっと寂しい雰囲気。―――しかし、マスクで口もとが隠れているとはいえ、「みんなの表情が違う」と感じました。あと30分で大好きなバレエが観られる! 楽しみすぎて動悸が! というような、高揚感がみなぎっていたんだと思います。「私もです」と全員と握手したいような気持になりました(笑) 水香ちゃん、どうかケガしませんように。

 




 

ザ・バレエ少女のヘアスタイルの女の子たちが、こぞって写真を撮るスポット。ポワント基金のためのバレエシューズ展示は、私も毎回撮影してしまいます。1日で履きつぶしてしまうこともあるというバレエシューズ、努力の結晶そのものです。安価ではないので、基金はダンサーさんにとって大事なシステム。ひいてはバレエ団運営の厳しさ、実情を理解する助けにもなっています。

 


©️長谷川清徳

 

いよいよ本番、最初から最後まで見どころたっぷりの演目ですから、1秒も目が離せません。水香ちゃんが登場したとたん、観客席が熱気を帯び、さらにシンと静まり返って心地いい緊張感。私は涙が出そうになりました。コロナ禍で舞台が延期、再延期、中止となるなど、バレエ界も大打撃を受けているなか、踊りの練習を休むことは絶対にできないダンサーさんたち。この瞬間のために人生をささげている。このような状況下でも舞台上から芸術を見せてくれている。胸が熱くなりました。私の前に座っていた方は、「bravo」と書いたウチワを握りしめながら観覧されていて、「上には上がいる」と思いました。

 


 

バジル役の柄本さんとの息も相変わらずぴったりで、伸び伸びと踊る水香ちゃんは、快活でチャーミングなキトリそのもの。ふわっと上げた足の優雅さ、ぶれない軸足、甲の曲線の美しさに貫禄すら備わり、「天才」という一言では片づけらない魅力にあふれていました。そして1幕、2幕と順調に終わり、無事に迎えたカーテンコール……。

 

前代未聞!? のカーテンコール

 

水香ちゃんがインタビューのときに話してくれたことがあります。「海外公演では、お客様の感情表現が豊かで、bravo!の連呼と、スタンディングオベーションが華やか。日本ではそういうことはほとんどないけれど、"日本人らしさ"のようなものが感じられ、私は好きです」と。たしかに日本公演ではあまり見かけませんよね? 叫ばないけれど、「気持ちをこめて」拍手を送るのが日本のバレエファンの定番スタイル。

―――前置きが長くなりましたが、この日は、違いました。いつもの半数しかいないのに、拍手が大きい! ぶわっと一気に会場の空気が変わりました。パワフルであたたかい拍手の嵐。感激でいっぱいで、なにより今、すごく幸せ! そんな思いが観客全員からあふれているかのようでした。観客席側の証明が明るくなるころには、スタンディングオベーション! 手を高く上げて拍手を送るひと、涙をハンカチでぬぐうひと、満面の笑顔のひと……客席に向けて晴れ晴れとした表情で返してくれるダンサーさんたち。"会場が一体"となって「バレエ」という素晴らしい芸術を讃えているかのようでした。水香ちゃんは、手を振っていました。

席の間隔をあけなくてもよい舞台が、1日でも早く実現できるよう願っています。ライターS

 


おまけムービー


皆さんいつも応援していただき本当にありがとうございます❣️
水香


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