勅使川原三郎 KARAS APPARATUS 7周年、「タルホ 稲垣足穂の破片」と「妖精族の娘」

この夏に開館7周年を迎えた勅使川原三郎のスペースKARAS APPARATUSでは、現在


アップデイトダンス
No.73「タルホ 稲垣足穂の破片」

が上演中です(8月7日が最終日)

http://www.st-karas.com/news_jp/

小説家詩人である思想家稲垣足穂から多く影響をうけたが

私は思考がダンスをつくること自己の対象化を学んだ

勅使川原三郎

勅使川原三郎が稲垣足穂の摩訶不思議な世界をダンスに仕立て上げた。舞台には紗幕がかかり、シュールなCGアニメーションが映写される。そしてこの幕にかかる勅使川原、佐東利穂子の二人の影は、二重写しになったかと思ったら背が縮んだり、姿が消えたりする不思議さ。毎回、照明の巧みさに驚かされるのだけど、コロナウィルス禍を逆手に取ったように客席との間を隔てる紗幕をかけることで、こんな効果が出せるとは。



ロックンロール的なスタイリッシュもあったと思えば、勅使川原が幼児返りしたりと滑稽な描写もあり。照明を巧みに駆使して舞台の奥ゆきを生かした遠近感を出している。ぽっかりと月が現れたり。「くるみ割り人形」のロマンティックな旋律で美しい妖精を見つめる、夢見るような少年の姿に戻ったり、変幻自在の多彩な表現で夢幻の世界へと連れて行かれた。
小さな空間で、二人のダンサーだけで無限にイマジネーションを奔放に遊ばせ、多次元の宇宙を作り上げる力を持っているのが勅使川原三郎。七周年であると共に、アパラタスでの公演がなんと555回を数えたというから驚愕するほかはない。常にアヴァンギャルドで、見たことがないような独創的な世界を生み出す玉手箱がアパラタスである。

 

タルホ 稲垣足穂の破片
 
いわゆる少年が持つ葛藤、自己や世界の裏と表から直感する
 
戸惑いから一挙に救い出してくれたのがタルホの世界観でした。
 
奥底に沈殿する重さから浮上して軽やかに時間や場所に移動す
 
る軽やかさ、表面に広がる瞬間的永遠性、美のはかなさ、無声
 
映画のスラップスティックなイメージは現実にも展開できるの
 
だと自覚した。権威や高踏的経験など不要な自由を獲得した。
 
夢こそが現実、タルホが言う、夜空に浮かぶ月はブリキ製と知
 
った時から世界も時間も思い通りに取り扱って良いのだと勇気
 
づけられた。それは単なるイメージの遊びではなく生きる思想、
 
伝えられた古き文化風習の有り方は、良きも悪しきもその人間
 
の身体性によって異なる。新旧ではない時間の扱いには身体が
 
伴う思想が無ければ生かすことはできない。世界の価値は未だ
 
固定されていなくて、随時生きる者によって想像的に作られる。
 
そして古きものが現実になり、新しきものが古くなり得るのだ。
 
私はそのように生き、カラス アパラタスもつづいていくだろう。
                       勅使川原三郎

 

演出・照明 勅使川原三郎

出演 勅使川原三郎 佐東利穂子 

【公演日程】2020年

87日 ()  20:00
_________

全8回公演

【劇場】カラス・アパラタス/B2ホール

【予約】 〈 ご予約受付中です 〉
メール  
updatedance@st-karas.com

件名を「アップデイト予約No.73」として、

本文にご希望の日付・一般または学生・枚数・郵便番号・住所・氏名・

日中連絡のつく電話番号をご記入ください


【フォーム】
https://www.secure-cloud.jp/sf/1593747432yrjXPhcj

【当日券】
TEL 03-6276-9136
_________________________________________ 

8月下旬の次回のアップデイトダンスNo.74の予約も受け付け中です。
今後の公演にもぜひご期待ください。
 
▶︎8/21(金)-8/29(土)
アップデイトダンスNo.74
「妖精族の娘」ダンセイニ原作


 
・予約フォーム:https://www.updatebooking74

 

驚くべきことに、コロナウィルス禍で多くの公演が中止を余儀なくされているところではあるのですが、今年になってKARAS APPARATUSでは7つもの作品が上演され、51公演も行われているのです。緊急事態宣言の発令もあって4月頭の「ゴドーを待ちながら」は4公演が中止となり、6月12日からの「永遠の気晴らし」まで2か月公演が途絶えていたにもかかわらず、これだけのパフォーマンスを行っていることは偉業です。東京芸術劇場での庄司紗矢香との共演「三つ折りの夜」やシアターXで予定されていた公演は中止となってしまいましたが、愛知県芸術劇場での「白痴」は無事上演されるなど、KARAS APPARATUS以外でも勅使川原さんの活動は行われています。今年はコロナウィルス禍の関係で海外公演を行うことができないという事情はあるものの、驚異的な多作ぶりです。

アップデイトダンスNo.74「妖精族の娘」に続き、9月19日からはシアターXで新作「銀河鉄道の夜」が上演される予定となっています。

勅使川原三郎はこれまでにも何度か宮沢賢治の作品を基にしたダンス作品の創作に取り組んできました。
中でも「春と修羅」に収められた詩「原体剣舞連(はらたいけんばいれん)」にインスパイアーされ 1991 年に創作した
『DAH-DAH-SKO-DAH-DAH』。勅使川原の代表作の一つであり、初演時も、2012 年の改訂時も、その後数年に
渡り世界中で上演され、高評をえました。近年では、2016 年には、カラス・アパラタスでのアップデイトダンス
No.34 にて「春と修羅」を題材に創作しました。
勅使川原は宮沢賢治から、“言葉やイメージは勿論、自然や時空について考える新たな機会”を得たと語ります。
原作の解釈表現ではなく、文学の中に飛び込んで呼吸する様な勅使川原三郎のシアターXでの創作。
過去に数々の文学的な題材に取り組んできたこのシアターXでの連続公演に新たな作品が加わります。

[公演概要]
勅使川原三郎シアターX公演「銀河鉄道の夜」
 
日程 2020年
9月19日(土) 19:30
9月20日(日) 19:30
9月21日(月・祝) 16:00
9月22日(火・祝) 16:00
*開演30分前より受付開始、ロビー開場
*客席へは開演15分前よりチケットに記載の整理番号順にご案内します
 
 
料金 (全席自由/税込/入場整理番号付)
一般/前売 ¥4,500・当日 ¥5,000
学生 ¥3,000
シニア(65歳以上) ¥3,000
*学生/シニアは各回20枚限定,KARASでの予約のみ
 
チケット
【KARAS】
・メール ticket@st-karas.com
     公演日時/作品名/枚数/氏名/住所/電話番号を明記してお送りください
予約フォーム
 
【シアターX】電話予約 03-5624-1181 [10:00-18:00]
 
【チケットぴあ】[Pコード 502-309] 電話予約 0570-02-9999/WEB予約
 
【イープラス】WEB予約
  
問合せ KARAS(カラス)
〒136-0071 東京都江東区亀戸1-16-8 鯨岡第一ビル 4F-F
TEL.03-5858-8189

<KARASでは公演開催に際して細心の注意と対策をとります>

 1、館内は常時換気します

2、館内には手指の消毒液を設置いたします

3、スタッフはマスクを着用させていただく場合がございます

4、劇場内は座席に余裕を持って着席頂ける様に配慮いたします。

*劇場内の定員を通常の半数にしてご予約を受け付けています。

   定員に達し次第、予約受付を終了いたします。

 

ご来場されるお客様におかれましては、下記の注意事項をご確認いただければ幸いです。

 1、咳エチケット・マスクの着用、手洗い手指の消毒のお願い

ご来場時にはご自身のマスクをご持参いただく様、お願いいたします。

2、ご体調に不安のある方はご来場をお控えください

 発熱があり、検温の結果、37.5度以上の発熱がある場合

 咳・咽頭痛などの症状がある場合

 過去2週間以内に感染が拡大している国・地域への訪問歴がある場合

 



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