NHK-BSプレミアムシアターでロイヤル・バレエ「ダンシズ・アット・ア・ギャザリング」と「ザ・チェリスト」7月19日に放映

7月19日(日)にNHK-BSのプレミアム・シアターで

英国ロイヤル・バレエ「ダンシズ・アット・ア・ギャザリング」と「ザ・チェリスト」、そして再放送ですがミラノ・スカラ座バレエの「海賊」が放映されます。

https://www4.nhk.or.jp/premium/

当初、ロイヤル・バレエ「ダンシズ・アット・ア・ギャザリング」と「ザ・チェリスト」は、ロイヤル・オペラハウス・シネマ・シーズンのラインナップとして5月に劇場公開される予定でしたが、コロナウィルス禍で映画館がすべて閉まってしまったということもあり、5月には上映できず、結局諸般の事情により劇場公開が今回見送られてしまいました。

映画館の大画面で観られないのは残念ですが、ぜひこの機会にテレビ放映をご覧ください。(放映が好評で映画館でのアンコール上映の可能性はあるかもしれませんね→別途ご紹介しますが、8月~9月には「コッペリア」と「眠れる森の美女」の映画館再上映が行われます。)

 


 

「ザ・チェリスト」は、「ジェーン・エア」やヴィクトリア女王を描いた「ヴィクトリア」など物語バレエに定評があり、デンマーク王立バレエやアメリカン・バレエ・シアターなど世界中のバレエ団からの依頼が絶えない振付家キャシー・マーストンが英国ロイヤル・バレエのために振付けた新作。難病に斃れた実在の天才チェリスト、ジャクリーヌ・デュ・プレの生涯と音楽への愛を描いている。チェリスト役には、ロイヤル・バレエを代表するプリンシパル、演技力にも定評のあるローレン・カスバートソン。チェリストと結婚し一世を風靡した指揮者(名匠ダニエル・バレンボイムがモデル)役に、マシュー・ボーン「白鳥の湖」に主演し、映画版「ロミオとジュリエット」での熱演も記憶に新しい人気プリンシパルのマシュー・ボール。ジャクリーヌが愛したチェロをダンサーが演じるのも注目点で、音楽の魂と言うべきチェロを、鮮やかなテクニックと強烈な存在感のマルセリーノ・サンベが演じて絶賛を浴びた。エルガーのチェロ・コンチェルトなど、デュ・プレを代表する名曲の数々が奏でられ、音楽をバレエで表現するマーストンの巧みな手腕が、天才の悲劇的な人生をドラマティックに綴る。


ダンシズット・ギャザリングは1969年にニューヨーク・シティ・バレエのためにジェローム・ロビンズが振付けた。ショパンのピノ音楽に触発されたこの作品の一部をスタジオで見たジョージ・バランシンは、「もっと長く、ポップコーンのように作って」と指示したという。
結果的に、これは10人のダンサーによる1時間の作品となった。ショパンのマズルカ、ワルツとエチュードは作曲された当時革新的なものだった。ショパンの故郷であるポーランドのスラブ的な性質と共に、それらが作曲されたパリのエレガンスも内包している。ショパンの18のピノ曲を使用した本作は、様々なデュエット、ソロ、そして群舞から構成されている。
「このバレエは音楽とそれが作り出すものの時制に存在している」とロビンズはこの作品について書いた。「それ以上のものはないと私は思う。すべてのジェスチャーと雰囲気、ステップは音楽の時制の素材とそれが私に意味するものの一部である」
ダンサーたちの役名は、それぞれが着用している衣装の名前によるもので、衣装デザイナーのジョー・ユーラが役に合わせて色を選んだ。 ユーラはメリカの高級ブランド、ホルストンのクリエイティブ・ディレクターに初演の一年後に就任した。

マリアネラ・ヌニェス、フランチェスカ・ヘイワード、ラウラ・モレーラ、ヤスミン・ナグディ、フェデリコ・ボネッリといったスターダンサーが競演する中で、『眠れる森の美女』の映画館上映で主演しスターへの階段を駆け上る金子扶生の存在感にもぜひ注目を。




◇英国ロイヤル・バレエ『ダンシズ・アット・ア・ギャザリング』
                                      『ザ・チェリスト』

◇ドキュメンタリー
「ジャクリーヌ・デュ・プレとエルガーのチェロ協奏曲」
(1982年 イギリス)※1967年制作のドキュメンタリーの再編集版
【オリジナルの音声はモノラルです】

◇ミラノ・スカラ座バレエ『海賊』【再放送】




◇本日の番組紹介(23:20:00~23:24:00)
ナレーション: 水落幸子(みずおち ゆきこ)




◇英国ロイヤル・バレエ「ダンシズ・アット・ア・ギャザリング」(23:24:00~0:37:00)
                                      「ザ・チェリスト」(0:37:30~1:45:30)

<演 目>
「ダンシズ・アット・ア・ギャザリング」
振付:ジェローム・ロビンス
音楽:フレデリック・ショパン

<出 演>

「ダンシズ・アット・ア・ギャザリング」
振付:ジェローム・ロビンス
ロビンス財団の許諾を得て上演
音楽:フレデリック・ショパン
振付指導:ベン・ヒューズ

ピンク マリアネラ・ヌニェス
モーヴ フランチェスカ・ヘイワード
アプリコット ヤスミン・ナグディ
グリーン ラウラ・モレーラ
ブルー 金子扶生
ブラウン アレクサンダー・キャンベル
パープル フェデリコ・ボネッリ
グリーン ウィリアム・ブレイスウェル
レンガ アクリ瑠嘉
ブルー ヴァレンティノ・ズケッティ


<演目>
「ザ・チェリスト」(世界初演)
振付:キャシー・マーストン
シナリオ:キャシー・マーストン、エドワード・ケンプ
音楽:フィリップ・フイーニー
ドラマツルギー:エドワード・ケンプ

<出 演>

チェリスト(ジャクリーヌ・デュ・プレ)ローレン・カスバートソン
楽器 (チェロ) マルセリーノ・サンベ
指揮者(ダニエル・バレンボイム)マシュー・ボール

チェリストの少女時代 エマ・ルカノ
姉の少女時代 ローレン・ゴッドフリー
母 クリステン・マクナリー
父 トーマス・ホワイトヘッド
姉 (ヒラリー) アナ・ローズ・オサリヴァン
チェロ教師たち ギャリー・エイヴィス
ニコル・エドモンズ、ベンジャミン・エラ
音楽界の友人たち アクリ瑠嘉、ポール・ケイ、ジョセフ・シセンズ
チェロ・ソリスト ヘティ・スネル

英国ロイヤル・バレエ団
<管弦楽>英国ロイヤル・オペラ・ハウス管弦楽団
<指 揮>アンドリア・モリノ

収録:2020年2月25日 英国ロイヤル・オペラ・ハウス(ロンドン)

(エドワード・ケンプ チェリストの物語)

チェロが弾かれないまま横たわっている。
過去の演奏会の響きに呼び覚まされ、チェロは偉大な演奏家の物語を語り始める
小さな女の子がチェロの音色を聴いて恋に落ちた
母がチェロを教え始めた。女の子のあふれる才能が母の教えを超越するまで
新しい教師が、比類なき音楽家たちとの出会いをもたらし、指揮者に出会う
指揮者は同僚となり、ソウルメイトとなり、音楽によって二人の愛は駆り立てられた
二人はセレブレティとなり、多くの録音によって名声は高まった
結婚して、旋風のように世界中を旅してツアーし、コンサートを開いた
チェリストが力を失い、ついて行けなくなり、二人の関係が壊れ始めるまで
チェリストは疲れただけでなく、病気だったから
病はチェリストの神経を破壊し、キャリアを断ち切り、最後には命までも奪った
チェリストは演奏し続けるために戦った
もう戦う力が残されなくなり、彼女は楽器をしまい、沈黙した
声は失われたが、彼女は多くの人に霊感を与え続ける
生み出した音楽は響き続け、彼女の演奏や残された録音を聴いた者たちの記憶に刻まれた


ジャクリーヌ・デュ・プレの生涯は、エミリー・ワトソンがジャクリーヌを演じた映画「ほんとうのジャクリーヌ・デュ・プレ」でも描かれていますが、姉との葛藤やバレンボイムとの関係、病気とセンセーショナルに彼女の人生を描いた映画に対して、今回の「ザ・チェリスト」は、よりジャクリーヌの音楽への愛が描かれていて、悲劇的な面だけではないところと音楽との融合を中心にしていて、バレエらしいアプローチになっていると言えます。今回はドキュメンタリーも放映されるので、併せて観るとより理解が深まると思います。



◇ドキュメンタリー
「ジャクリーヌ・デュ・プレとエルガーのチェロ協奏曲」
(1982年 イギリス)※1967年制作のドキュメンタリーの再編集版(1:45:30~2:48:00)

<出 演>
ジャクリーヌ・デュ・プレ(チェロ奏者)
ダニエル・バレンボイム(ピアニスト/指揮者)
ジョン・バルビローリ(指揮者)
ニュー・フィルハーモニア管弦楽団   ほか





◇ミラノ・スカラ座バレエ「海賊」(2:50:00~4:40:00)
<演 目>
バレエ「海賊」(全3幕)
振付:アンナ・マリー・ホームズ
作曲:アドルフ・アダン   ほか
編曲:ケヴィン・ガリエ

<出 演>
メドーラ(ギリシャの娘):ニコレッタ・マンニ
ギュリナーラ(メドーラの友人):マルティナ・アルドゥイーノ
コンラッド(海賊の首領):ティモフェイ・アンドリヤシェンコ
ランケデム(奴隷商人):マルコ・アゴスティーノ
ビルバント(コンラッドの友人):アントニーノ・ステラ
アリ(奴隷):マッティア・センペルボーニ
ズルメア(ビルバントの恋人):アントネッラ・アルバーノ
パシャ(トルコの総督):アレッサンドロ・グリロ ほか
ミラノ・スカラ座バレエ団
ミラノ・スカラ座バレエ学校
<管弦楽>ミラノ・スカラ座管弦楽団
<指 揮>パトリック・フルニリエ

収録:2018年4月11・16・19日 ミラノ・スカラ座(イタリア)

 

 





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