横浜にダンスハウス〈Dance Base Yokohama〉が誕生、DaBY Channel【デイビーチャンネル】スタート

横浜の新スポット、みなとみらい線の馬車道駅に直結したKITANAKA BRICK&WHITE(北仲ブリック&ホワイト)に、ダンスハウスDance Base Yokohama(ダンスベースヨコハマ)がオープンします。5月22日にはオンラインの記者会見も開催され、参加してきました。

https://dancebase.yokohama/


Dance Base Yokohamaエントランス

Dance Base Yokohama(DaBY)は、プロフェッショナルなダンス環境の整備およびダンスに関連するあらゆるクリエイター育成に特化した事業を企画・運営する、ダンスハウスです。複合芸術であるダンスの発展のため、振付家やダンサーといったアーティストのみならず、音楽家、美術作家、映像作家、照明デザイナー、音響デザイナー、またプロデューサーやプロダクションスタッフ、批評家、研究者、そして観客の皆様の交流拠点になることをめざしています。

クリエイションを行うレジデンススペースでありながら、地域のアーティストや市民との交流も行い、ワークショップや実験的なトライアウト公演の実施や、ダンスアーカイブ事業など、さらなる多様な試みを展開する予定です。

アーティスティックディレクターの唐津絵理さん(愛知県芸術劇場シニアプロデューサー) は、「劇場が“ハレ”の場だとすれば、ダンスハウスは“日常的な場所”。この空間で、ダンス界の現状の課題に対するたくさんの実験を行いたい。ダンスを拡張していきたいと思います」とまずは意気込みを語りました。

4月23日にDaBYはオープンし、オープニング記念イベントとして安藤洋子、酒井はな、中村恩恵、山崎広太、ヨアン・ブルジョワ、コレクティブ・プロトコルらの参加による都市を振り付ける TRIAD DANCE DAYS」が5月8、9、10日に開催される予定でしたが、新型コロナウィルスの感染予防のためにこのイベントは中止となってしまい、オープンも延期されました。(6月中にオープン予定ですが、緊急事態宣言の解除など周辺環境に鑑みながら決定)

アーティストとの対話を重ね、オープニングの代わりに「TRIAD INTERMISSION(幕間)」として開催します。
(予定されていたサイトスペシフィックパフォーマンスの形式を変え、山﨑広太による新プロジェクト『ダンステレポーテーション』がスタートし、また酒井はなの『瀕死の白鳥』などTRIAD DANCE DAYS はオンラインを介したクリエーションが継続中です)

また、5/28(木)より、DaBYのオンラインコンテンツとして、YouTubeにおいてDaBYチャンネルを開設することが決定されました。YouTube、SNS などを活用し、オンライン上でDaBY のコンセプトを体現できるようなコンテンツを配信するものです。

【DaBYチャンネル 開設記念DaBY talk Live vol.1】

日時:5月23日(土)21:00〜

対談:金森穣 × 小㞍健太

が第一弾としてInstagramで開催されましたが、大変興味深く、熱い語らいが1時間半にわたって繰り広げられ、また意外なエピソードも披露されてたくさんの発見がありました。

DaBY talk Live vol.2】

日時:5月28日(木)21:00〜

対談:近藤良平 × 鈴木竜

DaBYインスタグラムにて行われます。コンドルズの近藤良平さんのトークもとても楽しみです。

Open Lab Vol.1 
日時:2020年6月27日(土) 
ゲスト:山本康介

DaBYチャンネル開設記念ダンスムービー 「Happy BirthDaBY Vol.1」公開

酒井はな&島地保武、飯島望未、安藤洋子、鈴木竜、刈谷円香、湯浅永麻&飯田利奈子、高浦幸乃、鳴海令那、福士宙夢、ハラサオリ、小暮香帆、中村恩恵、小㞍健太、康本雅子、小池ミモザ、山崎広太、岩淵貞太など日本のダンス界を代表するダンサーたちが参加しました。

DaBY チャンネル 開設によせて〜アーティスティックディレクター唐津絵理より〜

https://dancebase.yokohama/info/2421

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DaBY のアーティスティックディレクターには、日本初のダンスキュレーターの唐津 絵理(愛知県芸術劇場シニアプロデューサー)を、また、ダンスアーティストと観客、クリエイターを繋ぐダンスエバンジェリスト(伝道師)として小㞍 健太(振付家・ダンサー)、第一弾アソシエイトコレオグラファーとして、鈴木 竜を(振付家・ダンサー)迎えます。他にもリーガルアドバイザーとして弁護士の東海千尋が参加するなど、日本のダンス環境の改善に向け、積極的に専門家を起用していく予定です。

唐津絵理氏

小㞍 健太氏(©Karl Thorburg)

Dance Base Yokohamaアーカイブエリア

DaBY では、3つの拡張を展開していきます。

1 ダンスの観客層を広げる  2 専門的な人材を広げる  3 若手の登用

<CONCEPT>

4つのコンセプトを軸に、事業を展開していきます。

【つくる】

レジデンス
・プロフェッショナルなクリエイターによるダンス作品の創作
・創作活動の成果発表の場となるトライアウト公演

【そだてる】

プロラボ  プロフェッショナルのダンスアーティスト向けのプログラム
・ダンスの枠を超えた様々なプロフェッショルによる専門的なワークショップ
 登録アーティスト(*1) / 実験的な作品の創造 “ コレクティブ”( *2)
・ダンスの環境改善やクリエイターのステップアップのための各種セミナー
 ex) コレクティブ・リサーチ:ダンスエバンジェリスト小㞍健太がファシリテーターとなる実験的なワークショプ
 ex) リーガルセミナー:DaBY リーガルアドバイザー東海千尋によるセミナー

【あつまる】

オープンラボ  キッズや学生、一般の方が参加できるプログラム
・多様なアーティストやクリエイター・舞台スタッフの交流の場としてのプラットフォーム
・市民やダンスファンが気軽に立ち寄れるダンスアーカイブ
 ex)オープンリサーチ:コレクティブリサーチの成果発表
 ex) アーカイブのトークイベント:ダンサー・振付家によるアーカイブ作品の上映と解説
 ex) キッズ向けプログラム: キッズ向けプログラムなど

【むすぶ】

ネットワーク
・国内外のダンスを専門とする劇場や団体を結ぶハブ
・多様な団体と協働することで、ダンスを通じた社会貢献を実現

(*1)登録アーティスト
アーティスト、クリエイターがDaBY を利用するには、プロフェッショナル会員の登録が必要です。登録ダンサーは、特定のワーク
ショップへの参加、DaBY 作品の出演候補対象を基本とし、アプレンティスダンサー* レジデンスダンサー* レジデンスアーティス
ト* など独自の分類にあわせプロフェッショナルなダンス環境を提供します。ダンスエバンジェリスト小㞍健太がメンターとして活
動し、若手アーティストへのアドバイスや、クリエイションのサポートを行います。

ゲストアーティスト:堂園 翔矢・森永泰弘・田中麻里奈 など / レペティター*:小野麻里子 / レジデンスダンサー:安心院かな、岡本優香など

(*2)実験的な作品の創造“ コレクティブ”
アソシエイトコレオグラファーらが、次世代の作品を創作。初めてダンス作品に取り組む異ジャンルのアーティストが参加。
*第一弾アソシエイトコレオグラファー 鈴木竜。建築家、音楽家、ドラマトゥルクなどが参加。

Dance Base Yokohamaアクティングエリア

歴史的建造物の復元建築として、窓などの開口部や柱の位置、天井高など構造はそのままに、ボックス・イン・ボックスの構法で空間を構成しています。
ダンスクラス、創作活動(レジデンス)、ショーイング、ワークショップ、トライアウト等を行うアクティングエリアを中心に、
周辺の廊下部分にライブラリー等のアーカイブ機能を配置、他にもバックヤードに楽屋やシャワー施設、オフィス、倉庫等を有しています。クリエイターのための真の創造の場にしていくために、さまざまな人たちと巡り合うことのできる空間構築をめざしています。

空間設計は、地元横浜馬車道に拠点を置き、まちづくりやクリエイターネットワーク構築で実績のあるオンデザインパートナーズの一色ヒロタカ等が担当。

日本の文化・芸術活動、特にコンテンポラリーダンスの発展に寄与することを目的として、2019 年3月1日に設立された一般財団法人セガサミー文化芸術財団が運営・管理していきます。

 

愛知県芸術劇場でダンスのキュレーター/プロデューサーとして活躍してきた唐津絵理さんがこの〈Dance Base Yokohama〉にかける想いは、バレエチャンネルのインタビュー記事で読むことができます。
https://balletchannel.jp/7692

記者会見の詳しいレポートはステージナタリーで読むことができます。

https://natalie.mu/stage/news/379950

なおDaBYのグランドオープンは6月中を予定していますが、緊急事態宣言の解除など周辺環境に鑑みながら決定されるとのことです。

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※今回の事態を受け、アーティストサポート(DaBY スタジオ無償提供)が提供されます。

https://dancebase.yokohama/info/2419 (応募要項あり)
7月の一定期間、新型コロナウイルスで被害を受けたダンスアーティストへのリハーサルやクリエイション、映像撮影などの場として施設を開放します。
・内容: ダンスのリハーサル、クリエイション、自身のレッスン、オンライン発信のためのスタジオ使用、映像撮影
*ダンスの指導や集客を伴うイベント、有料のイベントは除く、人数制限あり
応募申込開始:6/2(火) 9:00~

応募申込締め切り:6/7(日) 21:00

申込結果通知:6月中旬ごろを予定

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会見で印象的だったコメントをいくつかご紹介します。

まず小㞍健太さんの「エヴァンジェリスト」(伝道師)という聞きなれない肩書についてですが、ダンサーと観客の間をつなげる役割という意味です。プロがわかりやすい言葉でダンスを伝える役割を担っています。また、ダンサーと異ジャンルをつなげるリサーチのプロジェクトを行うと共に、経験を若い人たちにアドバイスしていきます。小㞍さんは、「ダンスは伝承するものであり、共感してもらうことが大切。一緒に踊ることで共感してもらうこと。興味のあるアーティストに接するとともに、興味がないかもしれない人たちにも開いていきたい。ダンサーやアーティストが認知されていくことに役立てるような活動をしていきたい」と語りました。

冒頭のあいさつでは小㞍さんは、「過去10年、日本とオランダを拠点に活動してきましたが、常にダンス活動の環境に苦労してきました。ダンサーが独立、自立できるシステムが日本にはありません。ダンスのアーティストは、日々のトレーニングに加えて、リサーチや創作をする必要もあります。ヨーロッパと日本の状況を簡単に比べることはできませんが、私がしてきたさまざまな経験を生かして、ダンサーが活動するための基盤作りをしつつ、ダンスを広く知っていただけるような活動をしていきたいです」と述べています。

唐津さんは、「空間を作ることを意識していきましたが、コロナウィルス禍もあってオープンが延期になり、オンライン上のつながりも重要だと考えるようになりました。危機感や情熱によりオンライン上でできることがあると再認識しました」「(5月頭の)公演を開催することを目指していましたが、できなくなった時にどうするべきかと考えた時に、一般の観客との関係が大切なのではないかと感じました。改めてアートの役割を考える機会を与えられ、ここでトライすることに中に新しい挑戦が出てきました。いろんな人と走って挑戦したい」と意気込みを語りました。

アソシエイトコレオグラファーの鈴木竜さんは、「プロフェッショナルな環境が整っているとは言い難い日本ですが、若手世代のアーティストとしてクリエイションに、歴史の一部として取り組んでいきます」「この状況だからこそ生まれる作品があると感じています。どういった形にしてしていくか、作品の発表の方法についても模索していきたい」と思いを語りました。

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名称: Dance Base Yokohama(ダンスベースヨコハマ)
愛称: DaBY(デイビー)
所在: KITANAKA BRICK&WHITE(北仲ブリック&ホワイト)BRICK North 3 階
   神奈川県横浜市中区北仲通5-57-2
URL: https://www.dancebase.yokohama 
開館時間: 10:00~18:00( 火〜土 / 日・月休)
 ※日曜日には、トライアウト公演やワークショプを実施する場合があります。
 ※月曜日が祝日の場合は、その翌日に休館いたします。
 ※年末年始、お盆期間に休館有り。詳細はウェブサイトにてご確認ください。
利用方法: 「DaBY メンバーズ」登録(無料)
 Dance Base Yokohama(DaBY)をご利用いただくためには、「DaBY メンバーズ」へのご登録(無料)
 をしていただく必要がございます。DaBY メンバーズのご登録は、
 ウェブサイト(https://dancebase.yokohama/members)にてお願いいたします。
グランドオープン: 2020 年6月中予定 (* 緊急事態宣言の解除など周辺環境を鑑みながら決定していきます。)
運営: 一般財団法人セガサミー文化芸術財団



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