キューバ国立バレエは、1948年にカンパニーが設立されて以来、伝説のプリマ・バレリーナ・アッソールタ、アリシア・アロンソが芸術監督を務めてきています。
現在98歳と高齢のアロンソは、ほぼ失明状態ではありますが、未だ現役の芸術監督として仕事をしてきました。ドキュメンタリー映画『ホライゾン』の中でも、『ジゼル』の指導をかくしゃくと行う様子が映っています。
しかしながらさすがに98歳というのは超高齢であり、また今年のハバナ国際フェスティバルには健康上の理由で姿を見せなかったことから、後継者は誰になるべきかということが話題になっていました。
後継者の有力候補であった、キューバ出身のカルロス・アコスタはバーミンガムロイヤル・バレエの芸術監督に就任することが発表されました。
そしてようやく、後継者が発表されました。
https://www.dancemagazine.com/viengsay-valdes-2626747779.html?rebelltitem=1#rebelltitem1
キューバ国立バレエのプリマ・バレリーナで、国際的にも活躍し、世界バレエ・フェスティバルにも3回出演するなど、キューバを代表するダンサーであるヴィエングゼイ・ヴァルデスです。バレエを愛するキューバの国民にも大変人気があるダンサーです。
ヴァルデスは、上記のドキュメンタリー映画『ホライゾン』にも出演し、アロンソに指導される様子も映っています。キューバ人バレリーナらしい、超絶技巧の持ち主であるヴァルデスも、現在42歳。引退年齢が近づいてきていました。
芸術監督の地位に引き続きアロンソはとどまりますが、実際の芸術面での方向性を決めてカンパニーを運営するのはヴァルデスが行うことになります。
映画『ホライゾン』公式サイト
http://horizontes-film.ch/en/
http://www.tk-telefilm.co.jp/horizontes/
クラシック・バレエの素晴らしい伝統を持つキューバ国立バレエですが、レパートリーはほぼ古典作品で、現代作品がほとんどなく、時代に取り残された部分もあります。それゆえ、西側に亡命し、西側のカンパニーで活躍するダンサーも多いのが現状です。まだヴァルデスがどのような方向性を持って運営するのかはわかりませんが、42歳という若い芸術監督補が就任することになり、確実に世代交代は行われます。
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