セルリアンタワー能楽堂 伝統と創造シリーズ vol.10 HANAGO-花子-

セルリアンタワー能楽堂で開催されている「伝統と創造シリーズ」

能楽堂という日本の伝統的な様式を持つ空間を、コンテンポラリーダンスの振付家がどのように解釈し、扱っていくかを問う企画。2008年より継続して制作しているものです。

その記念すべき10作目となるのが、森山開次さんが演出、振付し、森山さん、酒井はなさん、能楽師の津村禮次郎さんが出演する「HANAGO-花子-」です。
http://www.ceruleantower-noh.com/lineup/2019/20190222.html

能の名作「班女」「隅田川」の登場人物・花子(はなご)に焦点を置き、二つの演目を元に、一人の女性の一生を描いたダンス作品です。花子を演じるのは、ダンサーとしてますます輝きを放つ酒井はな。花子にまつわる存在を能楽師・津村禮次郎、そして森山開次が演じます

先日、この作品の記者発表がありました。森山開次さん、酒井はなさん、津村禮次郎さんの他、音楽の笠松泰洋さん、衣装デザインのEatable of Many Ordersの新居幸治さんが参加しました。

まずは森山開次さんのコメントから
「「10作目という記念すべき作品に関わることができて光栄です。伝統的な能からさまざまなことを学び、最大の敬意を持ちながら、萎縮することなく思い切って挑戦して、作品を創って参りたいと思います。はなさんをどう演出するかも考えて行きたい」

酒井はなさん
「1作目に出演していて、ああ、10年になったと。10作目に参加させていただけることを心から幸せに思います」「森山開次さんの作品で、素晴らしい才能のみなさんと作品を創っていく貴重な機会。ひとつひとつの稽古を心に刻みながらがんばっていきたいです。恋に生き、愛に生きた彼女の素晴らしい、愛にあふれた美しい人生を細やかに表現できたら。全身全霊を込めて演じたい」

「伝統と創造シリーズ」全作品に出演している、津村禮次郎さん
「60代半ばから多彩なアーティストの方々とご一緒させていただき、自分が何ができるかがわからず、振付家・演出家の方々にお任せしながらやってきましたが、私からはできません、と言ったことはなく、毎回チャレンジさせていただきました」
「開次さんとはセルリアンタワー能楽堂の作品のほか、薪能でもご一緒していたり、酒井はなさんともご一緒する機会が多かったです」
「能の中では、「班女」「隅田川」の花子は同じ人物ではないのですが、歌舞伎では同じ人物ということになっています。花子という名前の2人の女性の生き様をドッキングさせるという、森山さんのアイデアと勇気に驚きながら、能とは違う様子の作品になるのかなと楽しみにしております。どんな衣装を着させてくれるのかも楽しみです」

音楽を担当する笠松泰洋さん
「今回能楽堂では初めての仕事となります。2004年に森山さん、津村さんの「OKINA」という作品を観て、こんなすごい人がいたんだ、と衝撃を受けました。伝統と新しいものがこんなにも一体になっているものがあるなんてと驚きました。2005年のオペラ「エレクトラ」では、森山さんにオレステス役で出演していただきました」
「50歳近くになって、日本の伝統文化に根ざしたものと、どう向き合っていくか?ということを始めました。そこから10年近く経ち、いろんなことにようやく整理がついてきたときに今回のお話をいただきました。独自の面白いものを作って、私が最初に森山さんを観て驚いたように、皆さんをびっくりさせられる作品ができればと思っております」

新居幸治さん
「僕のブランド(Eatable of Many Orders)は“衣食住”をテーマにしていまして、“Eatable”というのは“食べられる”という意味。僕自身が木工をしていることもあって、今回は衣装だけではなく、室内空間的につなげられるような、新たなことにも挑戦してみたいと思っています」

森山さんと酒井さんは今回、初共演となるとのこと。
森山さん 「はなさんと一緒に舞台に立つのがあこがれで、それがかなってうれしく思います。はなさんに合わせて何の演目ができるか、時間をかけて悩み、1演目に絞れずに2演目を掛け合わせることになりました。はなさんの“はな”とかけて『花子』を選んだわけではないんですが、この能楽堂に花を咲かせていきたいと思います」
「踊りの技術のみならず表現力に長けた方ですので、花子という女性の一生をはなさんなら演じていただけると思い、この演目に決めました」

酒井さん「開次さんの作品をたくさん拝見していて、素敵だなと感じ、いつかご一緒できることがあるのだろうか?と思っていた矢先でしたので、今回ご一緒できることがうれしくてたまりません。開次さんの世界観に対し、これまでの経験、技術、表現の引き出しをすべて出していきたい。一緒に踊り、またなかなかないテーマなので力を注いでいきたいです」

森山さん
「僕自身の舞踊家としてのテーマに、「狂う」というテーマがあって、これは津村さんからもらったテーマです。能では狂うというのがたくさん出てきます。”舞う”、”演じる”という意味もあり、憑依しただけではなく人の想いがあるからこそ、狂う、演者として狂うというのを舞踊家として突き詰めて行きたい。はなさんがどのように狂うことができるか、想いが強い中に狂っていく姿には美しさが秘められているし、それを引き出していきたいところです」

音楽について笠松さんは語ってくれました。
「もうほどんど曲は作ってあり、初回の録音もしています。箏、バロックハープ、ケーナ、メイ、ドゥトゥルク、邦楽のお囃子、鼓、太鼓、と四つの地域からなる楽器を使っています。尺八とケーナはほとんど同じですし、バロックハープと箏も弦を弾くので、たんぱく質の弦を鳴らしているので不思議な感じです。とても伝統的な日本音楽のスタイルは意識しています。森山さんの構成台本を基に作っています」

津村さん
「自分は伝統の中でどっぷりアーティストと対峙することで自分の中の想いに気づかされています。開次さんとはいろんな作品を創ってきて、今回は2つの作品を創るということで、作品を選ぶ段階から話していました。長年踊っているダンサーとやってほしいということがあり、その中で能の中の「班女」「隅田川」で、はなさんにも中年の女性として登場する作品、そういう作品を創ってほしいという想いで二つの作品をドッキングさせます。こういう冒険にご一緒したいと思います」


「セルリアンタワー能楽堂 伝統と創造シリーズ」は過去10年間の間に、9作品のクリエーションを行ってきました。酒井はなさんは1作品目の「ひかり、肖像」、2作品目「トリプル・ビル」、4作品目の「藪の中」、7作品目「オセロー&オテロ」、9作品目の「老松」に出演しています。また森山開次さんは、5作品目「石橋+Shakkyou」に出演。

今までも、森優貴、レオ・ムジック、アレッシオ・シルヴェストリン、島地保武、小野寺修二、遠藤康行、黒田育世といった錚々たる振付家が参加してきたこの企画。古典能をベースにした作品が3作品、新しい作品が3作品、そしてほかの題材が3作品。10作品目という記念すべき年に、どんなクリエーションが観られるか楽しみです。

なお、好評につき、My Bunkamuraでの先行発売で扱っているチケットは残り少なくなっています。11月22日からは一般発売もあります。


伝統と創造シリーズ vol.10
HANAGO-花子-

2月22日(金) 19:30開演
2月23日(土) 17:00開演
2月24日(日) 14:00開演
2月25日(月) 19:00開演
演出・振付|森山開次 
出   演|酒井はな、津村禮次郎、森山開次

主催 セルリアンタワー能楽堂

料金(税込)
A(正面)席 7,500円
B(脇正面)席 5,500円
C(中正面)席 4,500円
D(座敷・自由)席 3,000円

※D席は能楽堂およびスタジオアーキタンツのみ取扱いとなります。
※未就学児童のご入場はご遠慮いただいております。
※都合により公演の内容、出演者等を変更する場合がございます。ご了承ください。

チケット発売日
MY Bunkamura先行販売
2018/11/4(日)
先着制

一般発売
2018/11/22(木)

チケット取扱い


<Bunkamuraでのお申込み>
お電話
Bunkamuraチケットセンター 03-3477-9999(10:00~17:30)
チケットカウンター
Bunkamuraチケットカウンター  Bunkamura1F(10:00~19:00)※11/15(木)まで改修工事のため休業
東急シアターオーブチケットカウンター 渋谷ヒカリエ2F(11:00~19:00)

インターネット
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03-3477-6412(平日10:00~18:00/土日祝14:30~17:30)
※受付時間は催事によって異なる場合がございます。
※一般発売初日11/22(木)は、電話受付のみとなります。

<その他プレイガイドでのお申込み>
チケットぴあ 電話 0570-02-9999<音声自動応答/Pコード: 489-480>
インターネット http://t.pia.jp/

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セルリアンタワー能楽堂
03-3477-6412 <平日10:00~18:00/土日祝14:30~17:30>



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