舞台デザイナーのピーター・ファーマーが死去

まだ新聞記事などの公式発表はないのですが、ロイヤル・バレエのギャリー・エイヴィス、そして元ロイヤル・バレエのヨハン・コボーなどがTwitterで報告しているので間違いないと思います。数々のバレエ作品の舞台デザインを手がけ、この分野では巨匠だったピーター・ファーマーが亡くなったようです。

ロイヤル・バレエ公式からも発表がありました。


ピーター・ファーマーのプロフィール
http://www.roh.org.uk/people/peter-farmer
http://www.abt.org/education/archive/designers/farmer_p.html

1941年に英国に生まれたファーマーは、1960年代より演劇とバレエのデザインを手掛けてきました。ロイヤル・バレエにおいては、「ジゼル」(1971年)、「三人姉妹」(1991)、「眠れる森の美女」(1973年版および2006年のモニカ・メイソン版)などです。

また、マリインスキー・バレエ、オーストラリア・バレエ、ウィーン国立バレエの「マノン」(マクミラン振付)および別デザインですが、ヒューストン・バレエ、ナショナル・バレエ・オブ・カナダ、ABTの「マノン」、バーミンガムロイヤル・バレエの「テーマとヴァリエーション」「真夏の夜の夢」「コッペリア」、スコティッシュ・バレエ/香港バレエの「ホフマン物語」(ピーター・ダレル振付)、ENBの「白鳥の湖」と、2011年の同バレエ団の「くるみ割り人形」(イーグリング振付の現行版)なども舞台美術をデザインしています。2005年には、ロイヤル・バレエとABTが共同制作を手掛けた「シルヴィア」(アシュトン振付)の新プロダクションのために、デザインを再構成しました。

日本では、井上バレエ団の「白鳥の湖」「真夏の夜の夢」「コッペリア」、スターダンサーズバレエ団の「ジゼル」「コッペリア」(ピーター・ライト振付)、K-Ballet Companyの「眠れる森の美女」なども手掛けており、日本のバレエ界にも大きく貢献しました。新国立劇場で上演されている「マノン」も、ピーター・ファーマーが舞台美術を手掛けているプロダクションです。

2010年には、長年にわたるバレエ界への貢献を称えられて、ブノワ賞を受賞しています。

また、ファーマーは画家としても成功を収めており、個展もたびたび開催していました。

パステルカラーや中間色の使い方が巧みで、格調高いデザインを作り続けて舞台を美しく彩ったピーター・ファーマー。存命中のバレエ舞台美術家としては最も偉大な一人でした。ご冥福をお祈りいたします。

スターダンサーズ・バレエ団の「コッペリア」公演プログラムでのピーター・ファーマーの紹介をここで読むことができます。
https://nippon.zaidan.info/seikabutsu/1996/00077/contents/005.htm



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