鈴木ユキオ×新日本フィルハーモニー交響楽団 「すみだサマーコンサート2018」『火の鳥』を踊る 

鈴木ユキオ×新日本フィルハーモニー交響楽団「すみだサマーコンサート2018 -Chance to Play-」が、7月21日に東京・すみだトリフォニーホールで開催されます。
https://www.njp.or.jp/concerts/5096

これは、新日本フィルハーモニー交響楽団の生演奏をバックに、墨田区民(在住・在学・在勤)から公募したダンサー17人と、鈴木ユキオさん、および鈴木さんが選んだプロのダンサー11人が、鈴木さんがストラヴィンスキーの『火の鳥』に振付けたダンスを踊るというもの。

新日本フィルの音楽監督、上岡敏之さんは、ドイツのヴッパータール交響楽団の音楽総監督も務められていました。ヴッパタールといえば、ピナ・バウシュ率いるヴッパタール舞踊団の本拠地。ヴッパタール舞踊団も、地元でダンス未経験の子どもたちとの上演活動を行っています。

先日、この公演の公開リハーサルが行われましたので、取材してきました。

公募されて選ばれたダンサーは、下は12歳から、上は50代まで。ダンス経験は様々で、半数位はクラシック・バレエ、フラダンス、ヒップホップ等のダンスの経験者、およそ半数はまったく経験なしとのこと。一人耳が不自由なダンサーもいました。全12回のリハーサルを経て、大編成のオーケストラやプロのダンサーと共に舞台に立ちます。

今回のリハーサルは、全12回のうち7回目。鈴木さん曰く、まったく未経験のダンサーたちはまず振付を覚えるのに時間がかかり苦労していたとのことですが、ほぼ毎週末のリハーサルを経て、振付もしっかり入り、動きもスムーズで、ダイナミックなこの音楽に乗せた力強い踊りを見せていました。人数が多いので、群舞のフォーメーションの変化も多々あります。ところどころ止めて動きを確認したり修正が入るものの、通し稽古もできそうな雰囲気です。鈴木さんの熱のこもった指導は客席からも感じられました。

最年少の12歳のダンサーは、クラシック・バレエを学んでいるけどコンテンポラリーは初めてとのこと。ユキオさんの感じていることを表現したい、一日3時間のリハーサルの内容が濃くてとても新鮮だと思いを語ってくれました。

ルーツである舞踏の影響もありながら、とても切れ味鋭く力強い作品を創作することで定評のある鈴木ユキオさんですが、既存の音楽をそのまま使うのはほとんど初めての試みとのこと。鈴木さんは今までも、小学校などでのワークショップで、ダンス未経験者に振付指導を行う経験はありましたが、3か月のリハーサル期間でじっくりと取り組み、様々なバックグラウンドのある人たちに振付けるのはとても面白いことであると共に、チャレンジでもあるそう。

ダンス経験のない人に振付ける場合でも、鈴木さん独自の持ち味の部分が入るように、振付は工夫しているとのこと。自身やプロのダンサーに振付けるよりは単純な振りだけど、ダンスになる部分があり、各個人の特徴が伝わるような作品に仕上げたそうです。『火の鳥』は変拍子も入った難しい曲で、オーケストラも大編成、音楽の強さに負けないような作品にするのはハードルが高いわけですが、音楽に負けない強い情熱は、リハーサルからも伝わってきました。ちょうどこれくらいからスイッチが入り、公開リハーサルという形で、外部の人の目が入ることも緊張感を感じさせて良い経験になるそう。

鈴木ユキオさんは、ダンサーとしても非常に魅力的で、独特の色気が漂い、しなやかでシャープなムーブメント、そして優れた音楽性の持ち主。(余談ですがうちの5歳男児も、昨年彼の踊りを観てから大ファンになり、よく動画を観ています) この作品でも鈴木さんのソロがあり、また同時上演の「バッハ: 管弦楽組曲第 3 番 ニ長調」は彼を含めたプロダンサーのみの出演。ここでプロのダンサーたちが本気のところを見せることで、区民ダンサーたちにも感じるところがあるといいし、と思って取り組まれるそうです。

すみだトリフォニーという大空間で、大きな編成の生オーケストラをバックに踊られる『火の鳥』。オーケストラとダンスのエネルギーを感じたら、ダンスを観たことがないお客さんにもきっと響くはず、今までコンサートホールに足を運んでこなかった方もぜひ、観に、聴きに来てほしいとのことでした。

数々の名作バレエが振付けられてきたストラヴィンスキーの『火の鳥』。一味違った、でも初めての人でも楽しめる熱い舞台に出会えるはずです。これが恒例化して、ここからダンサーが育っていけば素敵ですよね。

●日時・会場
2018年7月21日(土)14:00 開演 すみだトリフォニーホール

●指揮
原田慶太楼  Keitaro Harada, conductor

●振付・演出・出演

鈴木ユキオ Yukio Suzuki, coreographer, director, dancer


●出演

安次嶺菜緒・赤木はるか・竹内英明・山田暁・町田妙子・田花遥・宮脇有紀・田端春花・小谷葉月・鈴木伽実・栗朱音

すみだ区民ダンサー* Sumida dancers*

秋葉 美香/秋元 美智子/後濱 龍太/宇田川 由美/内山 陽瀬/江森 美輝/奥住 風音/貞森 裕児/佐藤 咲子/田村 多恵子/戸島 久美絵/登美 森歌/豊川 弘恵/中島 優/波多 順子/疋田 博美/前田 麻里

●プログラム
J.S. バッハ: 管弦楽組曲第 3 番 ニ長調 BWV1068 J.S. Bach: Overture (Suite) No. 3 in D major, BWV1068
ストラヴィンスキー:バレエ音楽『火の鳥』 (1910年原典版) * Stravinsky: The Firebird (original 1910 version)*

<チケット>

新日本フィル・チケットボックス
TEL.03-5610-3815(平日:10-18時/土:10-15時/日祝:休)、FAX.03-5610-3828(24時間受付)

新日本フィル・チケットオンライン

トリフォニーホールチケットセンター
TEL.03-5608-1212 (10-18時<窓口営業時間:11-18時>/土日休まず営業)

e+(イープラス)
http://eplus.jp/njp/
※座席選択可

チケットぴあ
Pコード : 114-806
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※座席選択可

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0120-240-540(オペレーター対応、通話料無料)
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