ウィーン国立バレエの次期芸術監督決定

ウィーン国立バレエ、2020年に退任する芸術監督、マニュエル・ルグリの後任が決定しました。

https://operamrhein.de/en_EN/magazin_1806_schlaepfer_wien

デュッセルドルフのドイツ・ライン歌劇場の芸術監督で振付家のマーティン・シュレプファーです。

プロフィール
https://operamrhein.de/de_DE/person/martin-schlaepfer.47167

マーティン・シュレプファーはスイス生まれ。ロイヤル・バレエスクールで学び、ローザンヌ国際バレエコンクールに出場してベスト・スイス賞を受賞し、バーゼル・バレエに入団。94年にベルン・バレエの芸術監督となり、99年から2009年はバレエマインツを結成して芸術監督に。2009年にドイツ・ライン歌劇場バレエの芸術監督と首席振付家に就任しました。最初のシーズンが終わったところで、さっそくドイツのダンス雑誌tanzで最優秀振付家に選ばれ、またドイツ・ライン歌劇場バレエは2013, 2014, 2015、そして 2017年には最優秀カンパニーに選ばれました。

振付家としても有名で、60作品も振付をしています。自身のカンパニー以外にも、チューリッヒ・バレエ、ミュンヘン・バレエ、オランダ国立バレエ、カナダ国立バレエ学校などに作品を提供し、オペラの演出も手がけています。2006年にブノワ賞の最優秀振付家、タリオーニ賞なども受賞しており、また2009年と2012年にファウスト賞を受賞、2014年にはマリー・タリオーニ賞の最優秀芸術監督に選ばれています。ハンス・ファン=マネンが振付けた「老人と私」では、シュレプファーは2012年に久しぶりにダンサーとして舞台に復帰し、ファン=マネンは"Everyday life" を彼のために2014年に振付けました。

マーティン・シュレプファーが現在芸術監督を務めているドイツ・ライン歌劇場の公式発表によれば、2023/2024シーズンまでドイツ・ライン歌劇場バレエの常任振付家としての契約を締結して間もなくの今春、ウィーン国立歌劇場よりオファーを受けたとのことです。2019-20シーズンまではドイツ・ライン歌劇場の芸術監督の仕事を続けるそうです。


マニュエル・ルグリも、『海賊』など振付を手掛けていますが、それほど多くの作品を振付けているわけではなく、古典作品と様々な振付家による現代作品のバランスを考えたレパートリーとしています。

ドイツ・ライン歌劇場バレエは、マーティン・シュレプファーの作品を中心に、バランシン、ロビンスといったネオクラシック、ゲッケ、ナハリンなどの現代作品を踊っている劇場です。今シーズンは、シュレプファーの新作「白鳥の湖」が今月初演されました。
https://operamrhein.de/de_DE/repertoire/b-36.1123456

振付家としてのシュレプファーにフォーカスされたドキュメンタリー「Keep the flame, don't pray to the ashes」はドイツで放映され、DVD化もされています。
https://www.medici.tv/en/documentaries/keep-the-flame-dont-pray-to-the-ashes-choreographer-martin-schlapfer/

ウィーン国立バレエからのプレスリリースでは、シュレプファーは古典全幕バレエも継続して上演しつつも、現代作品の新作も上演するとコメントしています。

https://www.ots.at/presseaussendung/OTS_20180622_OTS0146/martin-schlaepfer-ab-september-2020-neuer-direktor-des-wiener-staatsballetts

いずれにしても、ウィーン国立バレエは大きく変わっていくものと思われます。



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