2016-17 season





今シーズンを振り返りたいと思います。

今シーズンも色々な役を踊りました。
その中でも特に印象に残っているものが3つ。くるみ割り人形の雪の王、海賊のランケデム、ジゼルのヒラリオンです。
どうしたって主要な役を踊るときは、群舞で踊るときよりも気持ちが入りますからね!

雪の王は、登場のシーンが大好きです。
何の前触れもなしに、舞台中央の幕が落ちると、そこに真っ白なメイクで、真っ白な衣装、真っ白なマントに身を包んで立っています。
雪の音楽は、小さく細かい音から始まり、大らかに、そして終盤に向けて雪崩のように激しくなり、最後は音に合わせて、畳み込むようにステップが詰め込まれています。
身体に残った最後の力を絞り、紙吹雪の中を踊り切った時には、ある種の高揚が込み上げます。今度の冬も踊るので、すでに怖いような、わくわくするような。去年とは少し違った踊りにしたいです。

海賊のランケデムは、バリエーションを踊っている最中でも、役柄を表現することについて考えました。綺麗に正確に踊ることを、いつも目標にしていますが、それだけではこのお祭りのような海賊という作品の中では、埋もれてしまいます。なので、ステップをある程度正確にこなせるようになったら、乱暴さや男らしさみたいなものを上塗りしていきました。

ジゼルのヒラリオンでは、色々と悩みました。あくまで説得力のある人間らしさ、みたいなものを演じなくていけない反面、あまり普通の人を演じすぎると、ヒラリオンというキャラクターが消えてしまいます。ヒラリオンというのが、いったいどういう人物なのか。考えれば考えるほど、自分の想像が間違ってる気がしました。色んな人のアドバイスを、聞けば聞くほど混乱しました。けれど、アドバイスをくれる人たちがそれぞれのヒラリオンを持っていて、どれも間違いではないので、自分も自分のヒラリオンを見つけるべきなのだ、と思いました。

今シーズン、とりあえずは終わりましたが、今週末はまたランケデムを。来週末には、眠れる森の美女のフロリムント王子を踊ります。

明日が誕生日の僕です。みるみる内に時間は過ぎていきますが、その中でもひとつひとつの役や舞台とは向き合っていきたいと思います。

写真は、Sang Hun Leeさん。



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