私は冬が嫌いだ。
寒いわー外出たくないわーコート重いわ着るのもブーツ履くのもマフラーもめんどくさいわー
夏にスニーカー履くのだって面倒だから下駄で歩いてるのに
ブーツなんて毎回チャック上げなければならない。
だけど冬のバーニャ(ロシア式サウナ)は最高
飲み仲間と化した同僚と酒飲んで職場の愚痴大会
白樺の葉っぱで身体をパシパシして、もう気分は蒸し豚。
で、外出て冬の凍りかけヴォルガ川へ~!これは冬限定のご褒美。
チェボクサルビールは超薄味、ほとんど水のようなビールだけど
バーニャにはおすすめ。
冬に人と飲みに行くところといえば、バーニャだろう。
しかしバーニャは金がかかるので、薄給バレエダンサーには痛手。
月2回を目安に、金を出し合って行くか、順番で奢り合う。
ソ連時代はうちの劇場内にバーニャがあったそうだ。お局様たちが嘆いている。
「あの頃はよかった、ソ連時代はよかった、ソ連に戻ればいい」
この台詞、どこ行っても聞くわ。
私は92年生まれなので仮にロシア人として生まれていてもソ連時代を経験することはないけれど
聞いている限り、ソ連は良かったんだろうなと思う。
大学も企業も国立しかなかったから、就職活動に苦労することなく、卒業時にはもう職場が国から与えられていた。
姑は大学卒業間際には既に3社に決まっていたという。というかみんな、試験結果で就職先が決められるのだと。
Баня все грехи смоет
バーニャは全ての悪を洗い落とす
移籍して良かったのは、酒の相性が好い同僚に巡り合えたこと。
重い公演のあとは飲むのがルール。
クソックソな仕事のあとも飲むのがルール。
冬は散歩が出来ないから、ただひたすら誰かの家で飲むのだ。
この日は同志がリハーサル中に監督からターゲットにされ大変だったので
コニャックは私の奢り。朝まで飲んだ。
このhoegaardenはロシアで作り直されているのか中身が取り替えられているのかは知らないが
オランダで飲んだ味とは全く別物である。オランダで飲んだhoegaardenが恋しい。
それにしても自由に酒飲ませてくれる夫には感謝。
稼いでくれたらもっといいんだけど。現在また失職中。