吉田都の35年の集大成となる引退公演<NHKバレエの饗宴>『Last Dance』

 <NHKバレエの饗宴>吉田都引退公演『Last Dance』」の会見が、5月10日に東京都内で開催された。

 これまでのバレエライフを、「イギリスのオペラハウスの舞台に立てたことは、奇跡のようなこと。貴重な日々でした」と振り返り、幾多の出演舞台の中でも、特に印象に残った公演を問われると、「日本で最後に踊った『ロミオとジュリエット』は特に思い出深い作品です。ジュリエットの人生を舞台上に生きられる、演じる楽しさを改めて教えてもらいました」

 現役引退についての直接の理由は「来シーズンから新国立劇場の舞踊芸術監督を務めさせていただくことになり、
生半可ではできないと思った」。一方で、「踊ることが大好きだったので、人生の中から舞台に立つことがなくなることが想像つかない」としながらも、「将来あるダンサーのために環境を整えたり、私が海外で学んだことをお伝えしたりするほうがよいのではと思いました」と引退決断への経緯を語った。

 舞台に立つダンサーへのアドバイスとして、「骨格や音楽性、基礎やテクニックはもちろん必要ですが、まずはお客さんに何を伝えたいがが大切。リラックスして、お客さんが楽しめるような成熟した踊りを見せてほしい。どれだけ完璧な身体を持っていても、何も伝わらないこともある。やはり、いきつくところはパッションだと思います」

 8月7日(水)と8日(木)の2日間にて開催される『Last Dance』については、「私のこれまでのキャリアを振り返るような企画」と自信を見せる。

 出演者は、フェデリコ・ボネッリ、平野亮一、高田茜ら英国ロイヤル・バレエ団のプリンシパルたちが駆け付けるほか、新国立劇場バレエ団、東京バレエ団、谷桃子バレエ団、小林紀子バレエ・シアター、牧阿佐美バレヱ団、スターダンサーズ・バレエ団からトップダンサーらが一堂に会する。

  自身の出演は、『誕生日の贈り物-Birthday offering-』に初出演となるほか、『シンデレラ』第3幕の冒頭ソロ、
『白鳥の湖』第4幕のパ・ド・ドゥを踊る。「感謝の気持ちを込めて舞台に立ちたい」とほほ笑んだ。
 なお、本公演の模様は2019年10月にNHKBSでオンエアされる予定。

写真提供:NHKプロモーション

【演目・出演予定】
F.アシュトン振付 「誕生日の贈り物-Birthday offering-」
出演:吉田都、フェデリコ・ボネッリ(英国ロイヤル・バレエ団)、
   米沢唯、福岡雄大、井澤駿(新国立劇場バレエ団)
   沖香菜子、秋元康臣(東京バレエ団) 
   永橋あゆみ、三木雄馬(谷桃子バレエ団)
   島添亮子(小林紀子バレエ・シアター)
   阿部裕恵、水井駿介(牧阿佐美バレエ団)
   渡辺恭子、池田武志(スターダンサーズ・バレエ団)

D.ビントレー振付 「精確さによる目眩しくスリル」
出演:ヤスミン・ナグディ、高田茜ほか(英国ロイヤル・バレエ団)

D.ビントレー振付「Flowers of the Forest」から抜粋
出演:池田武志、渡辺恭子ほか(スターダンサーズ・バレエ団)

D.ビントレー振付「シルヴィア」からパ・ド・ドゥ
出演:小野絢子、福岡雄大(新国立劇場バレエ団)

K.クミラン振付「アナスタシア」からパ・ド・ドゥ
出演:高田茜、ジェームズ・ヘイ(英国ロイヤル・バレエ団)

「くるみ割り人形」グラン・パ・ド・ドゥ
出演:平野亮一、ヤスミン・ナグディ(英国ロイヤル・バレエ団)

P.ライト振付「白鳥の湖」第4幕よりパ・ド・ドゥ
出演:吉田都、フェデリコ・ボネッリ(英国ロイヤル・バレエ団)

その他の演目予定、吉田都、イレク・ムハメドフ(元英国ロイヤル・バレエ団)



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